またも、地方議員が物議を呼んでいます。
札幌市議会の金子快之(やすゆき)議員です。
◆何をやったのか?
金子快之市議は、8月6日、札幌市役所に韓国の国旗が
掲揚してあったことについて、ツイッターに次のように投稿
しました。
「またもや、札幌市役所に韓国国旗が掲げてありました。
いったい札幌はどうなってしまったのでしょうか。
強く正しい札幌を取り戻さなければなりません」
これに対し他のツイッターユーザーから
「北海道にはアイヌ民族の問題もある」とのリプライが
寄せられると、8月11日にこう反論しました。
「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。
せいぜいアイヌ系日本人が良いところですが、利権を行使
しまくっているこの不合理。納税者に説明できません」
◆なぜ、アイヌ民族はいないのか?
アイヌ民族に関する発言について、
「札幌市議によるヘイトスピーチ」
「ばかもの。議員辞めなさいあんた」
「レイシスト(差別主義者)!同じ日本人として恥ずかしい!」
などの批判が出ています。
金子快之市議は、「アイヌを法的に証明する根拠が現行法に
ない」としています。一方で、アイヌの人には低金利の住宅
新築資金を貸し付ける制度などがあります。
これが、アイヌを名乗ることで利益を獲得する「アイヌ利権」
であると主張しているのです。過去にもこの問題を議会で
指摘しており、これからも問題提起を続けていくとしています。
◆アイヌ振興基本法
アイヌに関する法律としては、「アイヌ文化振興法」という
ものがあります。平成9年、アイヌの人々の民族としての
誇りが尊重される社会の実現を目的として、施行された
ものです。
この法律は、初めてアイヌを固有の民族として法的に
位置づけたものであり、国と地方自治体に、アイヌ語や
アイヌ文化の継承・育成を義務づけています。
このように、アイヌ民族は法的な根拠をもっており、これを
保護・育成していくことが国の方針と言えます。
◆まとめ
おそらく、金子快之市議は、「誰がアイヌ民族であり、
誰はアイヌ民族ではない」と定める手続きに問題がある、
と言いたいのだと思います。
市議が主張するように、本当に「アイヌ利権」のような
不透明なものがあるのならば、そこは正していかなければ
なりません。
しかし、金子快之市議の発言は、アイヌ民族そのものを否定
していると捉えられても仕方がないほど乱暴なのです。
アイヌ民族は存在し、保護・育成を図っていく。
その上で、不透明な利権は正していく。
これが、公人としてあるべき姿なのではないでしょうか。
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