同居する内縁女性の5歳の長女の頭を壁に打ち付けてけがをさせたとして、無職の男が逮捕されました。
◆何があったのか？
大阪府警淀川署は同居する内縁女性（41）の5歳の長女の頭を壁に打ち付けてけがをさせたとして、大阪市淀川区の25歳・無職の男を逮捕しました。
逮捕容疑は今月15日午後6時ごろ、自宅の浴室の壁に長女の頭を3回打ち付けたほか、顔を1回殴るなどして1週間のけがをさせたとしています。
男は「掃除の手伝いをしなくて腹が立ってやった」と容疑を認めています。
長女の全身にはあざがあるといい、男は「言うことを聞かなかったので、これまでに20回ほど殴ったり蹴ったりした」と供述しています。
（大阪府警淀川署）
◆無職男の罪と罰
男に暴行する意思はあったと思いますが、ケガをさせる意思があったかは分かりません。
このため、厳密にいえば「過失傷害罪」が成立する余地があり、刑法第209条第1項により「30万円以下の罰金または科料」が科されることとなります。
しかし、暴行の意思がありケガをさせるに至らなかった「暴行罪」は刑法第208条により「2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留若しくは科料」となります。
ケガをさせた方が、ケガをさせなかった方より刑が軽くなってしまうのです。この結果はいかにも不公正です。
このため判例は、暴行の意思がありケガをさせるという結果が生じた場合には、ケガをさせる意思がなくても、傷害罪を適用できるとしています。
このため今回の事件では「傷害罪」が成立し、刑法第204条により「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されます。
◆まとめ
男は8月に女性と同居し始めた直後から、長女に暴行していたとみられます。
このようなケースでは、母親が暴力を黙認してしまうケースが多いのですが、今回は女性が淀川区役所に相談し、事件が発覚しました。
女性は「怖くて止められなかった」と話していますが、自分で止めきれなかったら警察や周囲の人に相談することです。
相談することで、今回のように子どもに最悪の結果が生じることを防ぐことができます。
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