政務活動費の不正使用に揺れる兵庫県議会にて、領収書の使い回しをした議員が問題となっています。
◆何があったのか?
問題となっているのは、兵庫県議会・自民党所属で姫路市選出の岩谷英雄議員(69)です。
岩谷県議は政務活動費の収支報告書に「データ整理、作成費用」として計19万円の支出を記載していますが、その際、添付した領収書6枚の筆跡などが酷似していたものです。
岩谷氏は記者会見で、問題の領収書は業者の指示を受け、額面が同じ別の領収書をコピーし、日付などを書き込んだものだと説明しました。
しかし、領収書に記載された姫路市内の業者が作成した受領証明書を示し、「費用は間違いなく支払った」と弁明しました。
(岩谷秀雄県議)
◆全力疾走
9月22日に開会した兵庫県議会の本会議終了後、岩谷県議に記者団が改めて説明を求めましたところ、何と、岩谷県議は全力疾走で逃げ出しました。
69歳とは思えない健脚で階段をかけおりて、受付を走り過ぎ、県会議事堂の建物を出てそのまま公道へ飛び出しましたが、最後は記者団に追いつかれてしまいました。
その場では記者団の追及に対し、あくまで業者が行ったという従来の主張を繰り返しました。
身が潔白というのならば最初からきちんと質問に答えれば良かったものを、取り乱したように逃げてしまったため、この映像は全国に放送され、野々村元議員以来のインパクトを残してしまいました。
(問題の領収書)
◆岩谷英雄兵庫県議の罪と罰
岩谷県議には領収書偽造の疑いがもたれているため私文書偽造罪に該当する可能性があります。
私文書偽造罪は、刑法159条第1項により3か月以上5年以下の懲役刑となります。偽造された私文書を使用した者も同じ罪となります。
さらに、偽造した領収書を用いて経費として金銭を受け取った行為に、詐欺罪が成立する可能性があり、詐欺罪は、刑法246条第1項により、10年以下の懲役刑となります。
両方の罪が成立するとみなされた場合は併合罪となり、長い方の懲役10年×1.5=15年以下の懲役刑となります。
◆まとめ
兵庫県議会はこの日、政務活動費の支給額を年600万円から540万円にカットすることや、会派を通じて実費支給する方式に改めるなどとする条例改正案を可決しました。
しかし、いくら改革を実行しても、肝心の議員がこのような姿勢では、改革は形だけで実効性のないものとなってしまうでしょう。
改革は1人1人の議員の行動にかかっているのです。
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