横浜で、包丁男が女性警官に襲いかかる事件がありました。
◆女性警官を包丁で襲う
10月7日午後5時45分ごろ、横浜市旭区鶴ケ峰の交番
前で、立ち番勤務中の神奈川県警旭署の女性巡査(20)に、
包丁を持った男が突然襲いかかりました。
この際、パトカーで通り掛かった男性警察官3人が男を
取り押さえ、現行犯逮捕しました。逮捕の際、巡査長(30)
が男に拳銃を1発発砲し、右腕に命中しました。
包丁男は、女性巡査を押さえ付けていたため、巡査長が
引き離し、「武器を捨てろ」と二度警告。しかし男は包丁を
手に巡査長に向かってきたため発砲したということです。
包丁男は38歳で、統合失調症との情報があります。
(鶴ヶ峰交番)
◆統合失調症とは
統合失調症とは、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神
疾患です。
以前は「精神分裂病」と呼ばれましたが、「統合失調症」
と名称が変更されました。およそ100人に1人弱がかかる
頻度の高い病気ということができます。
「普通の話も通じなくなる」「不治の病」というイメージが
ありますが、こころの働きの多くの部分は保たれ、多くの
患者は回復していきます。
◆包丁男の罪と罰
包丁男は、公務員である警察官が、職務である立ち番勤務を
行うに当たり、これに対して暴行を加えています。
このような行為は刑法第95条第1項の公務執行妨害罪に
あたり3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の
罰金刑となります。
このほかに、刑法第199条の未遂罪が成立する可能性が
あります。
◆まとめ
刑法第39条は、心神喪失者の行為は、罰せず、心身耗弱者
の行為は、その刑を減軽する、と定めています。
統合失調症だからといって、必ずしも刑法第39条に該当する
とは言えませんが、何らかの形で考慮される可能性はあります。
しかし、包丁で警察官を襲うなど、今回の件は危険な犯罪です。
病状を考慮しすぎて、一般市民が被害にあうような事態は回避
しなければなりません。
医師などの意見を参考に、総合的にバランスのとれた処分が
必要となります。
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