2014年10月8日、韓国の検察当局は、産経新聞の加藤達也
前ソウル支局長を事情聴取の末、起訴しました。
◆朴槿恵大統領の名誉を毀損?
今回の問題は、韓国大手紙「朝鮮日報」が、『旅客船セウォル
号が沈没した4月16日に朴氏の所在が確認できなくなり、
男性と会っていたとのうわさ』に関するコラムを掲載したのが
発端でした。
これを引用する形で加藤前支局長が日本向けにコラムを書いた
ところ、韓国の市民団体がこれを見つけ、「朴槿恵大統領の
名誉を毀損した」と告発する騒ぎとなりました。
韓国の検察は告発を受け、加藤前支局長に出国禁止処分を出し
複数回の事情聴取を行っていましたが、容疑が固まったとして
起訴に踏み切りました。
(加藤達也前ソウル支局長)
◆加藤達也・産経新聞前ソウル支局長の罪と罰
加藤前支局長は、韓国の法律である「情報通信網法」における
「名誉棄損罪」に問われています。これは通称「オンライン
名誉棄損罪」と呼ばれており、次のよう定められています。
『人を誹謗する目的で情報通信網を通じて公然と虚偽の事実を
あらわし他人の名誉を毀損した者は7年以下の懲役、10年以下
の資格停止または5000万ウォン以下の罰金に処する』
日本の名誉棄損罪は『3年以下の懲役もしくは禁錮または
50万円以下の罰金』なので、韓国のオンライン名誉棄損罪は
相対的に重い罪とされているようです。
これは、インターネット上の誹謗中傷で女性歌手や女優が
自害する事件が相次ぎ、それが社会問題になったことが
背景にあるようです。
(ソウル中央地方裁判所)
◆まとめ
今回の件は、日本政府をはじめ、国連や米国政府なども
報道の自由に対する懸念を示しています。
韓国の法律判断が外交問題を考慮しないことは、三権分立
の原則上、妥当だと思います。しかし、韓国検察は朝鮮日報
の記者への明確な事情聴取は行っていません。
国内メディアにはオンライン名誉棄損罪は成立しないので
しょうか?韓国も法治国家であるならば、国内と海外の
メディアへ異なった対処をするべきではありません。
コメント