2014年11月30日、大手食品メーカー「江崎グリコ」の
江崎勝久社長(73)宛てに脅迫文書を郵送し、現金5000万円
を脅し取ろうとした男が逮捕されました。
◆あれから30年
恐喝未遂の疑いで逮捕されたのは、住所や氏名不詳の40歳前後
とみられる男です。
男は2014年10月29日から11月25日まで計6回、「怪人28号」
を名乗り、次のような脅迫文書を江崎社長に送り付け、現金を
脅し取ろうとした疑いが持たれています。
「あれから30年。そろそろお金も尽きてきた。毒入り危険と
騒がれたくなければ、またお願いするよ」
(怪人28号・画像1)
◆現金5000万円脅迫文
脅迫文書は6通とも、東京都港区の江崎グリコ品川オフィスに
届きましたが、社長宛てだったため、全て大阪梅田オフィス
(大阪市北区)に転送されました。
3通目の脅迫文書ではじめて現金3000万円を要求され、4通目
で11月23日午後5時にJR東京駅改札口で現金を受け渡すよう
指示がありました。
結局、東京駅に犯人は現れず、その後の脅迫文で、現金の要求額
は5000万円へ、受け渡し場所も東京ディズニーランド入場ゲート
に変更されました。
(怪人28号・画像2)
◆ディズニーランドで確保
最終的に、11月30日夕方に東京ディズニーランドの入場ゲート
で現金を受け渡すよう指示がなされたため、大阪府警と警視庁は
捜査員約150人態勢で迎え撃つ体制をとりました。
そして午後5時ごろ、最寄り駅のJR京葉線舞浜駅付近で無線機
で話すそぶりを見せた男を発見したため、警視庁神田署に任意
同行され、御用となりました。
男は調べに対し、黙秘しています。
◆怪人28号の罪と刑罰
怪人28号を名乗る男は、江崎グリコに脅迫文書を送り付け、
現金5000万円を脅し取ろうとした疑いが持たれています。
このような行為は「恐喝罪」を構成し、刑法第249条により
10年以下の懲役が科されます。また、恐喝は未遂に終わっても
刑法第250条により罰せられます。
また、一連の脅迫で、江崎グリコ社や大阪府警、警視庁を混乱
させ、その業務を妨害しているため、威力業務妨害罪が成立する
余地があります。
威力業務妨害罪は刑法第234条により、3年以下の懲役または
50万円以下の罰金が科されます。
◆まとめ
30年前に世の中を震撼させたグリコ・森永事件。
その手口は時に狂暴であり、時に見事でさえありました。
怪人28号を名乗る男が、この歴史に残る事件を模倣したのだ
としたら、あまりに卑小(ひしょう)であり、あまりに稚拙
(ちせつ)でした。
しかし、今回の事件が、30年前の事件の謎が再度議論される
きっかけとなれば、本物の事件自体は時効となっていますが、
少しは意味があった行動と言えるのかもしれません。
コメント
包括一罪も知らずにこんなブログやってんのかよ
言葉足らずでした。
威力業務妨害は恐喝罪に吸収される可能性があります。