隠岐の島・座礁した中国イカ釣り漁船の乗組員23人はどうなるのか?

2014年12月18日、島根県 隠岐の島の海岸で、中国人25人が乗った漁船が座礁する事故が発生しました。

◆隠岐の島へ中国イカ釣り漁船が座礁

18日午前4時30分ごろ、島根県隠岐の島町の黒島埼付近で、中国船籍のイカ釣り漁船が岩場に乗り上げました。
イカ釣り漁船には中国人乗組員25人が乗っており、23人は近くの岩場などに避難しましたが、残り2人の行方が分からなくなっています。
避難した23人のうち、4人が骨折などの重傷ということで、島の病院に搬送され、残る19人についても、凍傷や骨折の疑いがあるため、近くの施設で手当てを受けています。
イカ釣り漁船はしけを避けるため、島の東側の海岸に避難したところ、高波にあおられ岩場に乗り上げたということです。
141218_座礁した中国漁船.jpg
(座礁した中国イカ釣り漁船)

◆乗組員23人はどうなるのか?

中国漁船は海難事故により救出されて日本国へ上陸していますので、乗組員は出入国管理および難民認定法第18条における「遭難による上陸」を行っていると考えられます。
「遭難による上陸」は、人道的な見地から有効なビザを持っていない外国人に対し認める一時的な上陸です。
このため、上陸時間は30日を超えない範囲内で定められ、行動の範囲は救護を受ける場所の市町村の区域内に限定されるなどの制限があります。
また、この間に報酬を受ける活動を行うこと(=働くこと)は禁止され、期限が来たら、粛々と出国して頂くこととなります。
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(乗組員を収容する施設)

◆過去の同様の事件

過去の同様の事件としては、2014年1月に熱気球で尖閣諸島に上陸しようとした35歳の中国人男性が不時着水し、海上保安庁に救出依頼が来る事件がありました。
通報を受けた海上保安庁はヘリコプターで男性を救助し、近くにいた中国公船へ引き渡しました。
この男性の場合、不法入国が目的だったようですが、不法入国の未遂罪というものがないことと、結果的には遭難により領海内に入ってきていることから、逮捕はされていません。

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◆まとめ

尖閣諸島や長崎県の対馬など、国境が近い離島には独特の緊張感があり、一歩間違えば住民の安全や生活がおびやかされる環境にあります。
人道にのっとり、国際ルールに準じた法律を制定し、あとは粛々と法にのっとった手続きを進めることが大切だと思います。
場当たり的な対応が、後の国際関係にひずみを生じさせることは、歴史を見れば明らかです。

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