2014年12月20日、妖怪ウォッチは映画『妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』が公開初日を迎え、舞台あいさつが行われました。
◆妖怪ウォッチ海外展開始動
舞台あいさつには、レギュラー声優陣やAKB48の島崎遥香、志村けんに加え、レベルファイブの代表取締役社長・日野晃博氏が登壇しました。
日野社長は壇上で「今後は世界中の子どもたちが勉強できるような仕掛けを作っていきたいなと思って、海外で展開するプランが出来上がっています。これから世界中で放送が始まります」と海外展開に対する意欲を語りました。
確かに日本でのブームの勢いを見れば、海外展開は当然のようにも思えますが、それにはどのような課題があるのでしょうか?
(舞台挨拶)
◆成功のカギを握る3つの課題とは?
1.妖怪のコンセプト
海外では「YO-KAI Watch」と表記し、ジバニャンは「JIBANYAN」ウィスパーは「WHISPER」のままですが、その他の妖怪は呼び名を変えて登場するようです。
そもそも、日本人ならば誰もが知っている民話から新しいイメージを作り出し、成功したキャラクターであるため、これが海外で通用するかはやってみなければ分かりません。
ただし、十数年前に「千と千尋の神隠し」が成功したように、日本色の濃い世界観が海外にも通用した例があります。
2.日本文化の理解
妖怪ウォッチは、日本の小学生を中心に学校や家庭が舞台となっているストーリーであり、サザエさんや金八先生のパロディなど、昭和の大衆文化が人気の一因となっています。
この点、子どもだけで世界中(?)を冒険するポケモンや宇宙レベルで強くなっていくドラゴンボールと比べ、海外の人には分かりにくい印象は否めません。
このような疑問に対し日野社長は、「日本人にしかわからない日本語特有のギャグは一部変更する可能性はあるが、昭和レトロのギャグも雰囲気で笑ってもらえる」と語っています。
スポンサードリンク
3.訴訟リスク
ゲーム・アニメにとどまらず、企業が海外進出する際に立ちはだかる壁に訴訟リスクがあります。
ポケモンでは超能力者「ユリ・ゲラー」をもじった「ユンゲラー」というポケモンがいましたが、本物のユリ・ゲラーから訴訟を起こされ、現在ではユンゲラーはあまり登場しないようです。
妖怪ウォッチはパロディが売りの作品ですが、仮に海外のコンテンツを拝借しようものなら、著作権や肖像権などで次々と訴えられる恐れがあります。
(日野社長)
◆まとめ
このような課題はあるものの、妖怪ウォッチの日本におけるクロスメディア戦略は周到であり、海外進出に対しても相当の作戦を練り上げてくると思われます。
アメリカのウォールストリートジャーナル紙は、「海外進出はリスクが高いものの、ポケモンの根強い人気を考えても、同様のタイトルが欧米で人気を得る可能性はある」と予想しています。
数か月後、数年後には世界中の子どもたちが妖怪ウォッチに親しみ、それと同時に日本文化にも親しんでくれるようになると嬉しいですね!
コメント