高知県香南市で発生した3歳の女児虐待事件については、児童相談所が深く関わっていたことが分かっています。
今回の事件を、時系列で検証します。
時系列での検証
2010年秋
女児の母親と、内縁の夫で女児の父親の男性(26)が、高知市で暮らし始めました。
2012年2月
内縁の夫が、高知市内の自宅で自殺未遂を起こしました。
高知県警から連絡を受けた高知市子ども家庭支援センターが対応したところ、両親は共に精神的に不安定で、女児の額には小さなあざがありました。
養育能力も不十分だったことから、高知県中央児童相談所はネグレクト(育児放棄)の状態と認定し、当時生後3ヶ月だった女児を一時保護しました。
(高知中央児童相談所)
2012年4月
女児を児童福祉施設に入所させ、両親に対する支援を始めました。
2013年3月
「家庭が落ち着いた」と判断し、措置を解除しました。
その後、女児を自宅に戻してからは、高知県中央児童相談所の職員が月に1、2回、自宅を訪問し、専門的なプログラムに基づき、両親に子どもとの関わり方を指導するなどの対応をしました。
2013年6月
内縁の男性の妹を含めた共同生活が始まりました。
2014年9月
男性の妹が香南市の実家に転居しました。
2014年9月30日
高知県中央児童相談所は「両親の方からも高知県中央児童相談所などに相談できるようになり、親子関係にも改善が見られた」として、日常生活の支援が主になる家庭支援センターに担当を移しました。
スポンサードリンク
2014年11月中旬
妹を含めた家族4人は、妹の実家に転居し、共同生活を始めました。
2014年12月9日
家庭支援センターとは別の課の高知市職員が、高知市役所を訪れていた両親と女児に面会しましたが、女児の体に虐待の痕などはなく、「心配な様子を確認できない」と判断しました。
2014年12月20日
内縁の男性は母親とけんかをし、高知市に住む母親(51)方に1人で戻りました。
家の中は2人の容疑者と女児、そして幼い妹だけとなりました。
そして事件が起きました。
次ページ「児童相談所は対応を誤ったのか?」
コメント