2013年6月に行われた東京都議選の告示前、地元町内会にビール券を配ったとして、東京都議が書類送検されました。
◆ビール券買収事件
公職選挙法違反(買収、事前運動)容疑で東京地検に書類送検されたのは、自民党都連幹事長の内田茂都議(75)です。
内田都議は2013年5月、地元の神社の祭りで町会が設置した御神酒所4カ所を回り、町内会関係者らにビール券を10枚ずつ計40枚配った疑いが持たれています。
この問題に関しては、2013年10月、千代田区の会社役員の男性(76)が「立候補前の選挙運動に当たり、票のとりまとめなどの選挙運動をすることの報酬としてビール券が配布された疑いがある」として警視庁に告発していました。
(内田茂 都議・画像1)
◆内田茂 都議の罪と刑罰
内田都議は、2013年5月に、地元の神社の祭りにおいて町内会関係者らにビール券を10枚ずつ計40枚配った疑いが持たれています。
まず、この行為は選挙運動に該当する可能性があり、都議選の告示前に選挙運動を行うことは「事前運動」として公職選挙法第129条に違反し、同法第239条第1項第1号により、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金が科されます。
次に、候補者が有権者にビール券を配る行為は「買収」として公職選挙法第221条第1項に違反し、同法第221条第3項により4年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金が科されます。
なお、これらの罪に問われたものは、同法第252条第1項・第2項により、一定期間、選挙権および被選挙権が停止されます。
(内田茂 都議・画像2)
◆受け取った人も罪?
上記の「買収」については、頼んだ側だけではなく、頼まれてお金をもらった側も罪になるので注意が必要です。
公職選挙法第221条第4項は「供与、供応接待を受け若しくは要求」する行為を禁止しており、違反すると同条により3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金が科されます。
選挙運動にビラ配りのアルバイトはつきものですが、アルバイトに弁当を出すだけで買収に該当する可能性があります。
選挙事務所も気をつけてはいますが、選挙期間中は慌ただしく細部にまで気が回らないこともあるので、アルバイトする人も気をつけておいた方が良いでしょう。
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◆まとめ
内田都議は1989年から6期連続で当選し、都議会議長などの要職を務めたベテランとして知られています。
今後、地検が刑事処分を判断しますが、ビール券を配る行為は「つい、うっかり」では済まされません。
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