2015年1月8日、NHKの籾井会長は定例の記者会見で、サザンオールスターズが紅白歌合戦で歌った「ピースとハイライト」についてコメントしました。
サザン31年ぶり紅白出場
「ピースとハイライト」は2013年8月にリリースされたものですが、サザン31年ぶりの紅白出場にこの歌が歌われたため再度注目を集め、「歌詞が政治的である」と話題になりました。
この曲は「ニュースでお隣の人が怒ってた」「教科書は現代史をやる前に時間切れ」「固い拳を振り上げても心開かない」などと歌われており、中国・韓国との関係をテーマとしていることが分かります。
このことはサザンファンの間では周知の事実でしたが、視聴率約4割を誇る国民的番組で歌われたことにより、多くの国民がこの歌の内容に触れ、サザンやNHKの意図が話題となったものです。
このことを聞かれた籾井会長は「全くそういうふうには思っていない」と答え、選曲自体も「(同時刻に行われている)ライブでの曲順が紅白での中継出演と重なっただけ」と偶然であることを強調しました。
(サザンオールスターズ)
「ピースとハイライト」は左翼的か?
籾井会長はNHK会長という立場上、歌詞の政治性を否定しましたが、客観的にみて政治をテーマとした曲であることは明らかであり、これには話し手にも聴き手にも暗黙の了解があるのでしょう。
では、政治的ではあるとして、もう一つこの曲には「左翼的である」という意見・批判がありますが、果たしてそうなのでしょうか?
歌詞を見て、意見の根拠となっている部分は恐らく次の部分です。
「都合のいい大義名分(かいしゃく)で争いを仕掛けて裸の王様が牛耳る世は…狂気(insane)」
(NHK籾井会長)
音楽の相対性
なるほど、都合のいい大義名分とは集団的自衛権のことであり、裸の王様とは安倍首相のことである。そして安倍首相が独裁者となり、日本は狂いだす…と、とれないことはありません。
しかし、裸の王様とは習国家主席かもしれないし、朴大統領かもしれないし、オバマ大統領かもしれないのです。
以前も述べましたが、音楽というものは相対的なものであり、作者の意図を超えて聴き手がイメージを創り出すものだと思います。
作者が「A」をイメージして創作したとしても、受け取った人が「これはBだ」と感じてれば、その人にとっては「B」の曲となるのです。
「ピースとハイライト」を左翼的だと解釈するのは自由ですし、「さくらさくら」を右翼的と解釈するのも自由です。しかし、これはこういう曲だからけしからん!と批判するのは間違いなのです。
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まとめ
籾井会長はこうも語っています。
「そもそもサザンの歌ってのはワーワーワーワーッて歌じゃないですか。一つ一つの言葉よりも、あのリズムと激しい歌い方が彼らの持ち味ですから」
これも、「歌詞を軽視している」という批判があるようですが、サザンが数十年にもわたり愛される理由の一つは、日本語の歌詞を外国生まれの音楽のリズムに乗せた歌い方が、天才的であるからだと思うのです。
あくまで曲を受け取った一人としての意見ですが。
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コメント
この歌詞を以って習とか朴のことと受け取るのはいくらなんでも無理があり過ぎる。
歌詞の書かれた時期、歌詞の内容見れば
これは明らかに「日本の戦争犯罪を糾弾した曲」だ
仰る通り、戦争犯罪を糾弾する歌にもとれますね。