2014年の末ごろから大阪と京都の繁華街にある道路標識に、いたずらがされているのが次々と見つかり、話題となっています。
道路標識にアート?
このいたずらの実行犯と見られているのは、フランス人の芸術家クレ・アブラーム氏(48)です。
アブラーム氏は2014年12月から1月5日まで日本に滞在し、大阪と京都の標識あわせて90カ所にシールを貼り、それをインターネット上に投稿していました。
「警察が、もし僕に『やったのか?』と聞いてきたら、『YES』と答えるよ」と関与を認めています。
アブラーム氏は、「標識は権力のシンボル」、「権力が定めた法を守ることに、異議を唱える作品だ」と主張しており、ヨーロッパやアメリカでも同様のことを行ってきたということです。
(クレ・アブラーム氏 画像)
クレ・アブラーム氏の罪と刑罰
アブラーム氏は、大阪と京都の道路標識あわせて90カ所にシールを貼りました。
道路標識等の効用を妨げるような工作物を設置する行為は、道路交通法第76条第2項で禁止されており、これに違反すると同法第118条により6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。
スポンサードリンク
また、いたずらの影響で道路における交通の危険を生じさせた場合は、同法第115条により5年以下の懲役又は20万円以下の罰金が科される可能性があります。
さらに、いたずらの結果、道路標識が一時的にでも使用できない状態となったと判断されれば、刑法第261条の器物損壊罪に該当する可能性もあります。
器物損壊罪は3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料(1万円未満の財産刑)が科されます。
まとめ
海外では1990年代ごろから「グラフィティ」と呼ばれる、スプレーなどを使って壁に落書きをするアーティストが出現し、一部オークションでは、億を超える値段で取引されることもあるということです。
フランスの雑誌社では痛ましい事件が起きたばかりですが、表現の自由やユーモアの心というものは大切であり、目的が「ドライバーの心を和ませるため」ということであれば、アブラーム氏の行動は理解されるかもしれません。
しかし、「権力に異議を唱えるため」という主張には首をかしげざるを得ません。
コメント