本庄第一高校サッカー部集団万引き事件・会見で感じた3つの甘さ

本庄第一高校の男子サッカー部が、遠征先のソウルで集団万引きを起こした事件で、2015年4月10日、学校側が記者会見を行いました。

◆本庄第一高校サッカー部集団万引き事件

この事件は、2015年3月、本庄第一高校の男子サッカー部が強化試合を行うためにソウルを訪れた際、部員のうち22人が集団万引きを行ったものです。
強化試合を終え、帰路に就く3月27日の午前、お土産を買うためにショッピングモールで自由時間となった際に事件は起こりました。
不審に思った店側が防犯カメラの映像を確認し、遠征用ジャージなどから学校側へ問い合わせが入ったことにより、事件が発覚しました。
150411_本庄第一高校サッカー部集団万引き・会見.jpg

◆会見で感じた3つの甘さ

この事件は4月10日、韓国で大々的に報道されたことにより、明るみに出ることになりました。
4月10日午後7時、本庄第一高校の男性副校長が記者会見を行い、一連の経緯を説明して謝罪しましたが、全体的に甘さが目立ち、スッキリしない会見となりました。
会見に対してはネットでも批判が集中しているようですが、批判の原因となっているポイントは、以下の3つの甘さに集約されると思います。

◆1.処分の甘さ

学校側は、万引きをした22人全員を4月6日以降、自宅謹慎にしたと明らかにしました。
しかし一方で、「これからがある若者たちですので、謹慎は処分ということではなく指導の一環」と説明し、謹慎期間も決まっていないということです。
サッカー部については、公式戦は自粛するが部活動は存続させるとし、「部活動でほかに頑張っている子供たちもいる」と理解を求めました。
タレントのクリス松村さんは「甘過ぎです。高校生に責任を教えられずに卒業させて良いのでしょうか」と苦言を呈しています。
なお、監督は4月6日から1ヶ月間の指導停止処分となっています。

スポンサードリンク

◆2.詰めの甘さ

学校側の説明では、万引した商品は42点、15万5千円であるとし、当該金額を支払い、示談を進めているということです。
一方、地元警察の発表によると、生徒らは、財布やポーチなどおよそ70点、総額252万ウォン(28万円相当)を盗んだとされています。
2倍近い金額の開きに対し、学校側は「わからない」としていますが、まずやらなければならないのは正確な事実確認であり、分からないで済む問題ではない気がします。
示談であるはずなのに当局に話を聞かれ、書類送検されるという報道もある中、起訴される可能性についても「分からないです」と説明しています。
重要なポイントが曖昧に進んでおり、詰めの甘さを露呈しています。

◆3.メディア対応の甘さ

会見には副校長が1人で臨んでおり、校長や理事長の姿はどこにも見えません。
そもそも、報道では学校名が伏せられ、副校長の顔や名前も公表されていませんが、これは学校側が要請したのでしょうか?
会見の途中で「先に謝罪のコメントをいただきたい」と記者に促されているように見えますが、それまで謝罪の言葉がなかったということでしょうか?
組織の危機管理として、メディア対応というのは極めて重要であり、メディア対応に失敗して炎上してきた実例は、掃いて捨てるほどあります。

◆まとめ

副校長は「これまでも厳しく指導してきたつもりだったが残念。世間をお騒がせし店の人にも大変申し訳ないことをした。今後、生徒の心に訴えていく指導をする」と話しました。
しかし、非常事態に際しては過去の経験に学び、トップを中心に組織的に対応できない学校の体制こそが、事件を生んだ温床であったのかもしれません。
根本を変えなければ、何を言っても生徒の心には響かないのです。
(関連記事)
【東京・台東】駒形中学校59歳校長の罪と罰/女性を尾行・侵入
【三重・津】香海中学校60歳臨時講師の罪と罰/体罰で生徒骨折
埼玉・本庄第一高校サッカー部万引き【なぜ?】学校名が出ない理由
ソウルで集団万引きした高校名はどこ?サッカー部員22人の罪と罰
余湖三千雄《画像》鹿島学園理事長の罪と罰/知人女性に性的暴行
冨田尚弥 【画像】 選手の罪と罰/仁川アジア大会中に窃盗

コメント

タイトルとURLをコピーしました