2015年4月24日に、官邸ドローン事件の犯人(容疑者)が出頭する際、別の「ドローン」2機種を持っていたことが分かりました。
犯人のドローン計画を構成する3つの機種とはどのようなものだったのでしょうか?
◆官邸ドローン事件とは?
この事件は4月9日ごろ、福井県の40歳の無職男が、「原発再稼働反対」のメッセージを託したドローンを首相官邸に向けて飛ばしたものです。
犯行に使われたドローンは、犯行から2週間近く経過した4月22日の午前10時半ごろ、首相官邸屋上のヘリポートで発見され、騒然となりました。
犯人とされる男は、犯行計画に備えてドローンを3機種準備していました。それぞれの特徴と役割を解説します。
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◆ドローン機種1号機:グリフォン
犯人のドローン1号機は「グリフォン」と命名されています。実際には幻の0号機があったようなので、グリフォンは犯人にとっては2番目の機体となります。
犯行に使われたグリフォンは、香港の大手ドローンメーカー「DJI」が製造するクアッドコプター(ローターが4つ)タイプのドローン「Phantom 2」です。
カメラはウェアラブルカメラの世界的ブランドである「Go Pro」を搭載しており、「DJI Lightbridge」という最大1.2Kmの距離から1920×1080@30fpsの映像データを伝送できるシステムを搭載しています。
市販の機体は白色ですが、夜間離陸で目立たないようマットブラックに塗装され、機体下のLED発光を抑えるため重ね塗りが施されています。
実際の犯行では、官邸上空や中庭を目指したものの、官邸周辺にビルが多く画像の電波が悪くなり、操縦不能で屋上に落下しました。
◆ドローン機種2号機:ヤスプレイ
ドローン2号機は、米国の垂直離着陸機オスプレイと犯人の名前をもじり「ヤスプレイ」と命名されました。
ヤスプレイは、グリフォンが操縦不能で帰還できず、「原発再稼働反対を訴える」という目的も果たせなかったため、二の矢として投入準備が進められました。
機体はグレーに塗装され、空撮用の機材も搭載されましたが、グリフォンの発見により実戦に飛び立つ機会はありませんでした。
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◆ドローン機種3号機:予備機
ドローン3号機は「予備機」としか呼ばれておらず、その役割も不明ですが、グリフォン発見時にはマットブラックへの塗装が進められていました。
首相官邸攻撃(?)の第三の矢としての役割の他、川内や高浜の原子力発電所に向けてのフライトなどが想定されていたのではないでしょうか?
◆犯人所有機種まとめ
グリフォンの語源は、鷲(わし)の上半身とライオンの下半身を持つとされる伝説上の生物であり、「七つの大罪」の一つである「傲慢」を象徴する動物として描かれます。
犯人の男は、伝説の動物を操り、政府の傲慢に鉄槌を下す神だったのでしょうか?
今回の事件をきっかけに、原発政策はともかく、ドローン規制に関する政府の怠慢は、改善されることとなりそうです。
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