いじめ防止のため指紋採取した小学校の男性教師に罪はあるのか?

2015年5月15日、東京都立川市の市立小学校で、教師が担任するクラス全員から指紋を採取していたことが分かりました。

◆教師が指紋採取

指紋を採取していたのは、東京・立川市の小学校に勤務する30代の男性教師です。
男性教師は5月11日、担任するクラスの女子児童の靴に画びょうが入れられていたことを知り、5月13日の授業中、一人一人から聞き取り調査を行いました。
その際、スタンプ台に児童の右手人差し指を付けさせて、クラス全員(約40人)の指紋を採取していたということです。

指紋イメージ(Amazonリンク)

◆男性教師に罪はあるのか?

事態は5月15日、校長にPTA役員から指摘があって発覚しました。
採取した指紋の紙は男性教師が保管していましたが、他の目的には使われておらず、校長がシュレッダーで処分しました。
男性教師は「いじめを抑止するためだった」と説明しており、15日に児童全員に謝罪したそうですが、男性教師に罪はあるのでしょうか?

◆指紋採取に関する法律

指紋採取に関する法律は、おそらく刑事訴訟法第218条第3項のみであり、次のように定められています。
“身体の拘束を受けている被疑者の指紋もしくは足型を採取し、身長若しくは体重を測定し、叉は、写真を撮影するには、被疑者を裸にしない限り、前項の令状によることを要しない”
捜査機関は、逮捕・拘留されている容疑者に対しては、裁判所の令状がなくても指紋を採取できるという法律ですが、当然、今回の小学校のケースには当てはまりません。

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◆教育委員会は大げさ

上記以外の指紋採取は、すべて個人と個人が「同意」の上で行う、任意の行為となります。
しかし、小学生が教師と対等の立場で「同意」を行ったとは考えにくいため、その意味で男性教師のやり方・手段には問題があったと言えるでしょう。
しかし、立川市の教育委員会は「児童の人権を侵害する極めて不適切な指導」として男性教師の処分を検討していますが、それは少し大げさではないでしょうか?

◆教師の行動は「緊急避難」

忘れてはならないのは、男性教師は「女子児童の靴に画びょうが入れられた」といういじめ行為を抑止するために、具体的に行動したという事です。
今回の男性教師の行動は、言わば刑法で罪が免除される「緊急避難」、または罪が軽減される「過剰非難」の事案だと思います。
女子児童に火の粉が降りかかってきたら、教師は一時的に法を犯してでも、女子児童を守らなければならず、法律はこのような行為を認めているのです。

◆まとめ~教師・指紋採取問題~

教師がいじめを放置した結果、いじめがエスカレートし、いじめられた子供が不幸な結果となった事案は、全国にいくらでも存在します。
今回の男性教師のやり方には問題があったかもしれませんが、いじめを放置する事なかれ教師・無気力教師たちに比べ、男性教師の行動には「正義」がありました。
私が自分の子供をお任せするならば、無気力教師よりもこの男性教師にお願いしたいと思います。
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