2015年6月1日、栃木県足利市で、2歳の男児を虐待して死亡させた父親が逮捕されました。
◆栃木・足利虐待事件
傷害致死の疑いで栃木県警足利署に逮捕されたのは、住所不定で無職の46歳の父親です。
父親は、5月16日午後9時半ごろから翌日の未明にかけ、当時住んでいた足利市八幡町のアパートの部屋で、2歳の長男の背中を平手で殴ってテーブルに腹部を打ちつけるなどの暴行を加え死亡させた疑いが持たれています。
翌日の昼すぎごろ、長男の意識がなく、ぐったりしていることに母親と父親が気付いて病院に連れて行きましたが、腹を強く打っていて、まもなく死亡が確認されました。
不審に思った病院からの通報で事件が発覚し、警察の調べに対し父親は、「たたいたが、しつけのつもりだった」と供述しています。
◆2歳の男児を虐待し死亡させた父親の罪と罰
父親は、自宅のアパートで、2歳の長男の背中を平手で殴ってテーブルに腹部を打ちつけるなどの暴行を加え死亡させた疑いが持たれています。
人の身体にケガを負わせ、それによって人を死亡させる行為は、刑法第205条の「傷害致死罪」を構成し、3年以上の有期懲役が科せられます。
「3年以上」といっても無期限ではなく、有期懲役は刑法第12条第1項により1ヶ月以上20年以下の期間が指定されます。
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◆過去の類似した事件
過去の類似した事件としては、2010年に大阪府で発生した、「寝屋川女児虐待死事件」が上げられます。
この事件で、当時26歳の父親と27歳の母親は、1歳8ヶ月の三女を暴行し、揺さぶり、タバコの火を押し付けるなどの虐待を加えた結果、三女は死亡しました。
大阪地裁は、傷害致死で起訴された両親に対し、「守ってくれるはずの両親から理不尽な暴行を繰り返され、悲惨、悲痛な死を余儀なくされた。児童虐待は大きな社会問題で今まで以上に厳しい刑罰を科すべきだ」と述べました。
判決は、両親とも懲役10年の求刑に対し、求刑を上回る懲役15年を言い渡しました。
◆まとめ～栃木・足利虐待事件～
今回の事件当時、この家には父親と男児のほかに、21歳の元妻と3歳の長女が暮らしていましたが、犯行時、内縁の妻は外出していました。
暴行があった直前の夕方には、けんかの通報があり、警察官が自宅を訪れた際には父親は酒を飲んでいました。
導かれる展開としては、夕方に激しい夫婦喧嘩をし、母親は長女を連れて飛び出し、残された男児が犠牲になったという事でしょうか。
なぜ、ケンカをしていたのか？なぜ、母親は男児を残して出かけたのか？なぜ、男児に暴力が向けられたのか？
これから明かされるであろう犯行理由は、身勝手でどうしようもないものだと思いますが、それでも明かされなければなりません。同じ悲しみが繰り返されないために。
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