レストランチェーン「サイゼリヤ」とその副店長が、約9800万円の損害賠償請求を求める訴訟を提起されました。
◆女性にパワハラ・自殺
東京地裁に訴えを起こしたのは、関東地方の店舗で働いていた20代女性の両親ら遺族です。
女性は2013年4月にアルバイトとして働き始め、その後契約社員となりましたが、男性副店長から体を触られるなどのセクハラに加え、罵倒や無視といったパワハラを繰り返し受け続けました。
2014年の秋ごろから女性が一人暮らしを始めると、副店長は女性宅に上がりこんで無理やり性的関係を結びました。
女性が関係の継続を断ると、副店長は「一緒に死のう」と心中を持ちかけ、翌日に女性は1人で首をつって自殺したのです。
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◆サイゼリヤ・関東店舗の副店長の罪と罰
副店長は、女性に対しセクハラやパワハラを繰り返し、妻子があるにも関わらず性的関係を強要し、自殺に追い込みました。
セクハラの刑事的責任は、ストーカー規制法違反や強制わいせつ罪であり、性的関係の強要は強姦罪が成立する可能性があります。
強制わいせつ罪は刑法第176条により6月以上10年以下の懲役、強姦罪は刑法第177条により3年以上の有期懲役(20年以内)となります。
また、民事的責任としては、民法第709条の損害賠償責任があり、他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、生じた損害を賠償する責任を負います。
更に、セクハラ行為が業務中などに起こった場合は、使用者の責任を追及できる可能性もあります。
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◆まとめ
不振が伝えられる外食産業にあって、サイゼリヤは「独り勝ち」の好決算をたたき出しています。
しかし、好業績がこのような女性社員の犠牲の上に成り立っていたのだとしたら、それは好業績とは言えないでしょう。
社員を消費し、消耗させるだけのブラック企業は、市場にいる資格はなく、一刻も早い退場を求めます。
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