2016年7月26日、神奈川県相模原市の知的障害者施設で、入所者ら多数が殺傷される事件が発生しました。
今回は、犯人とされる男を取り巻く家族関係に着目し、事件の背景を探ります。
◆犯人は26歳の元職員
今回の殺傷事件の犯人とされるのは、26歳の男で、事件があった施設「津久井やまゆり園」の元職員であったということです。
男は、施設から南東に約500メートル離れた、山林にほど近い住宅街で暮らしていました。
男は犯行を認めており、犯行動機については
障害者なんていなくなればいい…
という趣旨の発言をしています。
◆父親は小学校教師
犯人の父親の職業は、小学校で図工の教師をしていました。
このため、容疑者も教員を目指し、帝京大学の教育学部へ進学。
母校である「相模原市立千良木小学校」で教育実習も経験していました。
いい先生が来たよ!
と楽しそうに話す小学生もいたということです。
しかし、教員試験に合格できず、民間企業に1年勤めた後、「津久井やまゆり園」に就職しました。
父親も教師の道を望んだと思われますが、父親の期待に添えなかった事が、容疑者の運命を狂わせていったのでしょう。
◆母親は漫画家でうつ病に…
犯人の母親の職業は、なんと漫画家だったそうです。
さらに、母親は動物が好きだったのでしょう。
自宅で野良猫の餌付けをしていたことから、近所とトラブルになってしまいます。
近所からのクレームで自治会から激しく責められ、母親はうつ病のような状態になってしまったとのことです。
そのため4〜5年前、母親は父親と一緒に、東京都八王子市へ転居していきました。
容疑者はそれからは1人で住むようになりましたが、1人になっても近所でクレームを言ってくる人もいたそうです。
ちなみに、容疑者は2015年6月、JR八王子駅前で傷害事件をおこし、書類送検されています。
実家の両親のところに行った際に、トラブルを起こしたのでしょう。
◆兄弟はいるのか?
今回の殺傷事件の犯人に、兄弟がいるという情報はありません。
両親が転居する前は、親子3人で生活していたということですから、兄弟はいないと思われます。
◆結婚は?
今回の殺傷事件の犯人は26歳なので、結婚していてもおかしくありませんが、独身のようです。
交際していた女性はいるようで、女性と一緒に犬を散歩させている姿が、近所の人に目撃されています。
◆まとめ
これまで見てきたとおり、凄惨な事件を起こした犯人にも、支えてくれる『家族』が存在しました。
犯人は、けっして天涯孤独などではなく、悲惨な生い立ちを送ったわけでもなさそうです。
犯人の心に悪魔が巣くった原因は、社会と折り合いをつけられない「不器用さ」にあるのかもしれません。
犠牲となれらた方のご冥福をお祈り申し上げます。
コメント
鬱病のお母さんと、看護するお父さんが落とされた地獄を考えると
やり切れない。自殺する程苦しむことになるだろうが、本当に
やり切れない。革命家気取りの狂人の息子は、自分がテロを起せば
両親がどうなるか全く理解もしていなかったのだろう。
言葉の上だけで判った気になるだけで。暗澹たる気持ちだ。
コメントありがとうございます。
皮肉なことですが、両親の苦しみに気がつく時が、
はじめて自分の過ちに気がつく時なのかもしれません。
しかし時すでに遅し。
覆水(ふくすい)は盆に返らないのです。
両親もつらい思いをされるのでしょうね。
でも、酷な様ですが、幼児期や育った環境が人格形成に影響を与える事も事実のようです。
疑問なのは、退院後に何故、一人暮らしをさせていたのでしょうか?
何か事情がありそうな気がします。
あ、加害者の両親のことです。
コメントありがとうございます。
退院後の一人暮らしについては、多くの疑問が呈されています。
可能性として考えられるのは、「他害行為」でしょうか。
同居していたころは、家の中から言い争う物音が聞こえていたそうです。
あくまで、推測ではありますが。
どういう事情があっても今回の事件を起こしたことについては擁護されるべきではないけれども、なんとなく加害者が両親に感じていた苛立ちみたいなのは分かる気がする。
パッと見恵まれている家庭のように見えるけど、ほんとうの意味でこの容疑者を助けられる能力のある人が周りにいなかったんだろうな。
たった一人でいいからそういう人がいたら、この人が加害者になることも、多数の人が亡くなることもなかったのかもね。
コメントありがとうございます。
確かに、容疑者を擁護する事はできませんが、事件の背景には
複雑な要素が絡み合っており、原因は一つではないのだと思います。
今回の件で、一人ひとりが少しずつ意識を持てば、同じような
事件くらいは防げるのかもしれません。