2017年7月3日、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に成功したことを発表しました。
東アジア情勢は新しい情勢に入ったと言えますが、アメリカは、トランプ大統領はどのように対抗するのでしょうか?
◆北朝鮮がICBM発射成功
北朝鮮はこの日の午前中に、西部の平安北道・バンヒョン付近からミサイルを発射。
このミサイルについて、韓国政府の関係者は、
最高高度は5月14日に発射した“火星12”より高かった
と話しており、高度2500キロ以上と予想。
これが通常の角度で発射された場合は、飛行距離が7000〜8000キロ以上となり、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の可能性があると推測されていました。
◆特別重大報道
ミサイル発射の後、朝鮮中央放送は午後3時(現地時間)から「特別重大放送」を予告。
「特別重大放送」は初めてではないものの、軍事的な節目に行われることが多く、世界が注目。
そして、実際の放送ではやはりICBMに言及し、
大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星14型を、金正恩委員長が発射命令を下した
と報じました。
◆ICBM発射成功でどうなるの?
この日のミサイルは、約40分間、およそ930キロの距離を飛行して、日本の排他的経済水域(EEZ)に落下しました。
日本政府はいつものように、北朝鮮に厳重抗議をしましたが、領海に落ちたわけではないので、これ以上何かすることはないでしょう。
北朝鮮が初めてICBMに成功したことは、軍事的には脅威ですが、日本はもともとミサイルの射程範囲であったため、状況が劇的に変わった訳ではありません。
◆アメリカは?トランプ大統領は?
問題はアメリカですね。
核弾頭を搭載できるICBMの開発成功は、アメリカ本土が射程距離に入ったことを意味します。
トランプ大統領は、暴走する北朝鮮に対する新たな対抗策を打つ必要が出てくるでしょう。
とるべき手段は3つ。
一つ目は、金委員長も恐れているという「斬首作戦」ですが、最近はこの作戦は鳴りを潜めているようです。
隠密作戦とは言え、朝鮮半島で軍事力を使った場合、同盟国の韓国とそこに住む多くの米国人に甚大な被害が出るためです。
二つ目の手段は、ミサイル防衛体制を固めることで、ICBMを無力化すること。
アメリカは2017年5月に、初のICBM撃墜実験に成功しています。
それでは、すでにICBMが無力化されているのかといえば、そうではなく、そもそも実験と実戦では条件が異なります。
また、迎撃に成功したとしても、重さ100キロを超える破片が数十キロの広さで拡散する可能性があります。
さらに、ミサイルに核兵器や生物・化学兵器が搭載されていた場合、迎撃によって毒性物質が飛散する可能性も・・・
ミサイルを無力化することは、容易ではないのです。
◆まとめ
三つ目を言っていませんでした。
三つ目の手段は、北朝鮮の国家体制と核の保有を認め、米朝平和条約を結ぶことです。
拉致問題を抱える日本や、そもそも戦争継続中の韓国からすれば、到底受け入れられない手段ですが、トランプ大統領ならばやるかもしれません。
それが現実的なアメリカ・ファーストに繋がるのであれば。
アメリカが現実に戻ったとき、初めて日本と韓国は、東アジア情勢を真剣に考えだすのかもしれませんね。
自分で傘をさすくらいはできるように。
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