2017年7月5日、九州北部地方を襲った豪雨。
福岡県朝倉市で発生した土砂崩れは、妊婦の母親と幼い子供の命まで奪ってしまいました。
◆妊婦の母親
この事故で犠牲になった母親は、まだ26歳の若い女性です。
2012年にJA筑前あさくらに入社し、現在も在職中でした。
母親は、歌手・倖田來未さんの大ファンで、車のナンバーも「・・93(くみ)」だったそうです。
一緒に働いたことのある男性は、母親のことを
明るくていい子。パートのおばちゃんたちに人気で、いるだけで周囲が明るくなった
と話しました。
JA筑前あさくらの上司は、
急な仕事が入ると、休日でもベビーカーを押して駆け付ける一生懸命な子だった。農家の人にも『○○○ちゃん、○○○ちゃん(女性の名前)』とかわいがられた
と語っています。
また、女性と数年前から仕事上の付き合いがあった青果会社の男性は、
明るく気さくで、誰にでも親切な対応をしてくれた。農家の娘だけに一生懸命勉強していて、あんな担当者はなかなかいなかった
と振り返りました。
◆子供は2人…
犠牲となった母親には1歳の男の子がおり、一緒に亡くなってしまいました。
しかも、女性は2017年6月から産休に入っており、8月9日が出産予定日という妊婦でした。
豪雨はおなかの赤ちゃんの命まで奪ってしまったのです。
母親は豪雨が襲った5日、インスタグラムに息子さんの寝顔の写真を投稿。
「すっごい雷 すっごい雨 だけど、全然起きない息子ちん」「明日は保育園行けますよーに」
と書き込んでいました。
息子さんは7月15日が2歳の誕生日だったそうです。
◆祖母
犠牲となった母子は、出産を間近に控え、実家に帰省中でした。
土砂崩れでは、63歳の祖母も犠牲となっています。
女性の実家は3代続く果樹農家で、女性も営農指導に携わっていたそうです。
◆父親は?
犠牲となった女性の夫は、JA筑前あさくらで一緒に果樹の営農指導員をしていた同僚です。
2015年に結婚しているので、わずか2年の結婚生活となりました。
妻が子を連れて実家に帰省していた最中だったので、夫(父親)は被害を免れています。
だからといって「助かって良かった」とは、とても思うことはできないでしょう。
◆まとめ
犠牲となった母子が発見された時、母親は息子をかばうように抱いていたそうです。
息子と共に、おなかの赤ちゃんも守ろうとしたのでしょう。
遺体が運ばれるのを見ていた女性は、
神も仏もないのか…!?
と涙を流し、周りの人たちもハンカチで目を覆いました。
大自然が人間に課す試練は、時に無慈悲で、時に残酷です。
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