2018年6月、東海道新幹線車内で3人が死傷する事件が発生しました。
犯人の男には、どのような家族環境があったのでしょうか?
◆新幹線3人殺傷事件
この事件は、6月9日午後9時45分ごろ、東京発新大阪行きの東海道新幹線「のぞみ265号」12号車で発生。
犯人の男は2列シート通路側に座り、犯行直前に突然立ち上がり、刃物のようなものを隣席の女性に無言で振り下ろします。
その直後、30代の男性が止めに入りましたが、犯人ともみ合いになり、男性は首を切られて死亡しました。
他にも愛知県内に住む20代の女性2人が、重傷を負っています。
のぞみ車内では非常ブザーが押され、神奈川県藤沢市内でいったん緊急停車しましたが、その後、小田原駅まで移動しました。
◆22歳の犯人の男
小田原駅で「のぞみ」車内に警察官が駆けつけると、犯人の男は刃物を持ったまま、男性乗客にまたがるようにしゃがみ込んでいました。
警察官にうながされると無言で立ち上がり、殺人未遂の疑いで逮捕されています。
犯人の男は愛知県岡崎市に住む無職。
定時制高校と職業訓練校を出て、岡崎市の機械修理会社に勤めていましたが、
“俺が働くところではない”
と言ってすぐに辞めていました。
退職後は、自室でパソコンをいじったり、宗教や哲学などに関する本を読むことも。
自殺願望を頻繁に口にし、市内の精神科で診察を受けたこともあります。
◆愛知県一宮市にある実家の父
犯人の男の実家は、愛知県一宮市。
男は、中学2年生の頃から不登校になり、中学3年生のときには、深夜に父親が寝ている部屋のドアを蹴り飛ばし、包丁と金づちを投げてきた事があります。
そんな経緯もあり、男は実家を離れて施設で生活し、実父が最後に会ったのは、今から2年ほど前だったそうです。
父親は6月10日、メディアの取材に対し、
“一朗君とは今は家族ではない。中学生の頃からほとんど会話はなく、関係は断絶していた。(被害者には)申し訳ない”
と、他人事のように話しています。
◆母親と姉
犯人の家族には他に、母親と姉もいます。
母親は、犯人の男が生活していた自立支援施設で働いていました。
母親は6月11日にコメントを出し、
“このたびはご遺族の方、また被害にあわれた方々に大変なことをしてしまい、また関係の皆様に多大なご迷惑をおかけし、心から深くお詫び申し上げます”
と謝罪。
息子の所業について、
“まさに青天のへきれきで、自殺することはあってもまさか他殺するなんて思いも及びませんでした”
と、驚きを口にしています。
犯人の男が家出中に、電話で話したことについて触れ、
“無理やりにでも連れ戻していたら…”
と、後悔を口にしていました。
◆愛知県岡崎市で同居する叔父
犯人は現在、愛知県岡崎市で、叔父と祖母と同居していました。
しかし、2018年1月に
“旅に出る” “俺は自殺するんだ”
と言って、岡崎の家を出て行ったということです。
同居していた叔父は、
“この2年間で突然行方が分からなくなり、3回ほど警察のお世話になったことがありました”
と話しています。
岡崎市内の病院の精神科に一時入院し、
“自由に生きたい。それが許されないなら死にたい”
などと話していたとも。
こういう話を聞くと、事件は起こるべくして起きていますね。
◆母親代わりの祖母
犯人の男は、昔から岡崎の祖母に懐いていました。
仕事を辞めた後は、
“一緒に暮らしたい”
と希望し、男は祖母の家で暮らし、養子縁組もしていました。
祖母は、息子でもある孫について、
“家ではもめ事などはなく、まさかそんなことするわけがないと驚いています”
とも話しています。
岡崎の家を出る際には、祖母が心配し、自分の口座のキャッシュカードを持たせたといいます。
口座には70万円が入っていましたが、最終的には、30万~40万くらい引き出されていました。
◆まとめ
驚異的な事故率の低さで知られる新幹線。
しかし、車内で発生する人為的な事件は、防ぎようがありません。
これを機に、手荷物検査や金属探知機の導入などが議論されることになるのでしょう。
どんどん住みにくくなる日本ですが、このような精神異常者を生み出した社会が帰すべき「ツケ」と考えるべきなのでしょうか。
亡くなられた男性のご冥福をお祈り申し上げます。
◇編集後記
安全神話が崩れつつある日本ですが、私たちはどのように身を守れば良いのでしょうか?
そう考えていたら、こんな商品を見つけました。
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「防刃シャツ」なんて誰が買うんだろう?と思っていましたが、気がついたら自分も買っていた…という日が近いのかもしれません。
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