長崎県の地方銀行である十八銀行と親和銀行が合併し、『十八親和銀行』となることが決まりました。
今回は、新しく発足する十八親和銀行を、どこよりも詳しく解説したいと思います。
◆いつから発足する?
十八親和銀行は、いつからスタートするのでしょうか?
以下に、十八親和銀行がいつから経営統合し、いつから発足するのかを時系列で纏めました。
- 2016年2月:ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と十八銀行が経営統合することで基本合意
- 2018年8月:FFGと十八銀行の経営統合が認可される
- 2019年3月19日:新銀行名『十八親和銀行』が発表
- 2019年4月1日:FFGと十八銀行が経営統合
- 2020年10月:十八銀行と親和銀行が合併し、十八親和銀行が発足
- 2021年1月:旧十八銀行のシステムを旧親和銀行のシステムに統合
◆ふくおかフィナンシャルグループとは?
十八銀行は親和銀行と合併する前に、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と経営統合しています。
FFGとは、福岡銀行が広域展開型地域金融を実現するために作った金融グループです。
従前、FFGの傘下には福岡銀行の他、熊本銀行、親和銀行がぶら下がっていました。
十八銀行は、FFGの傘下に入ることが目的であったのであり、親和銀行との合併が第一目的であった訳ではありません。
しかし、長崎県に地銀2行は必要なかったため、必然として親和銀行と合併することとなったのでしょう。
◆十八親和銀行の新ロゴマーク
2019年3月19日、FFGは『十八親和銀行』の新銀行名とともに、新しいロゴマークも公表しました。
新銀行名は「十八親和銀行」に。親和・十八銀の合併でふくおかFGが会見し、両行の名前を残した名称を発表しました。 https://t.co/P7eCj4W7TP
— 日経 九州沖縄 (@nkkyushuokinawa) March 19, 2019
コーポレートカラーは長崎県の県花である雲仙ツツジをイメージしてピンク色を採用しました。
ロゴは十八親和の頭文字「JS」をベースに、長崎県の県民鳥であるオシドリを2羽、イメージしています。
◆十八親和銀行の本店所在地は?
十八親和銀行の本店は、現在の十八銀行本店の場所となります。
十八銀行本店
長崎県長崎市銅座町1−11
まあ、長崎市と佐世保市(親和銀の本拠地)の経済力の違いや、両行の預貸金量から見て、妥当な決着でしょう。
預金 | 貸出金 | 預貸和 | |
十八銀行 | 2兆5509億円 | 1兆8852億円 | 4兆4361億円 |
親和銀行 | 2兆2260億円 | 1兆7201億円 | 3兆9461億円 |
※数値は2019年3月期
現在の親和銀行の本店は「佐世保本部・佐世保営業部」として活用されることになっています。
◆新卒・中途の採用はどうなる?
①新卒採用
2020年4月入行の新卒採用は、合併前のタイミングですが、どうなるのでしょうか?
これについては、十八銀と親和銀が合同で採用活動を行う事となっています。
入行(入社)時点では合併前ですが、2020年10月には合併するため、この年の新卒者が新銀行の「1期生」となるのですね。
FFG人事統括部長は、
(新銀行の)1期生として、長崎のためにという思いを持った学生と一緒に働きたい
と、息巻いています。
2020年度の採用数は未定ですが、2019年度の両行の合計である、約140人規模となる見通しです。
ちなみに、2020年4月から10月まで、新卒行員がどちらの銀行の所属となるのかは決まっていないそうです。
個人的には、FFGの所属にして、廃止予定ではない支店に配属するのがベストだと思いますが…
②中途採用
十八親和銀行への中途採用については、特に触れられていません。
まあ、中途採用は時期が定まっていないので、2019年度中であれば、それぞれの銀行で対応するのでしょう。
2020年4月以降は、新卒と同じ取り扱い(待遇や福利厚生などは両行同じとするなど)になることが予想されます。
◆今 持っている通帳はどうなる?
十八銀行と親和銀行が合併することで、今まで持っていた通帳はどうなるのでしょうか?
まず、2020年10月の合併までは、今まで通り問題なく使用できます。
ただし、
2020年10月の合併(予定)・2021年1月のシステム統合(予定)に伴いお手続きが必要になる場合は、詳細が決定次第お知らせします。
と、説明されているので、何らかの手続きが必要となるのでしょう。
今回の合併では、十八銀行のシステムが親和銀行(FFG)のシステムに統合されることになります。
十八銀行の通帳は、いずれ取り換えが必要になってくると思います。
参考までに、近畿大阪銀行と関西アーバン銀行の合併のケースでは、近畿大阪のシステムに統合。
そのため、関西アーバン銀行の顧客は、通帳の切り替え手続きが必要となっています。
◆口座番号はどうなる?
次に、口座番号はどうなるのでしょうか?
口座番号については、
現時点では普通預金・当座預金の口座番号は変更しない予定です。
とアナウンスされています。
十八顧客と親和の顧客の口座番号がカブるんじゃないか…?
と心配になりますが、銀行はこういう時、口座番号ではなくて店名と店番号を変えるんですね。
その方がコストが安くて、混乱も起こりにくいのでしょう。
ちなみに、第四銀行と北越銀行の合併のケースでは、普通・当座の変更はなく、外貨預金と融資当座貸越の口座番号が変更となっています。
◆振込手数料はどうなる?
十八銀行と親和銀行の振込み手数料については、合併を待たずに、2019年4月1日から変更されています。
大きな考え方としては、十八銀行とFFGグループ銀行(福岡銀行、熊本銀行、親和銀行)間の振込みが「他行扱い」から「本支店扱い」へと変更になっています。
例えば、十八から親和へ窓口で3万円以上を振り込む場合の手数料は、
- 従来:880円
- 2019.4.1以降:550円
と、実質的に引き下げとなっています。
◆まとめ
最後に、新しくスタートする十八親和銀行についてまとめます。
- 発足は、2020年10月
- ロゴマークは、雲仙ツツジとオシドリをイメージ
- 新卒採用は、2020年4月入行者より一本化
- 十八の通帳はおそらく強制切り替え
- 口座番号は変わらないが店名・店番が変わる可能性
- 振込手数料はFFG間ですでに安くなっている
今後、詳細が分かり次第、追記していきたいと思います。
FFGは、新行名である「十八親和銀行」について、
100年を超える歴史がある、地域から愛されなじみのある両行の名前を残した
と説明しています。
新しい銀行が、今後100年愛される銀行となりますように、期待しています(^o^)丿
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