2022年4月、山口県阿武町で、給付金4630万円を誤送金する事件が発生しました。
今回は、事件の一連の経緯を時系列でまとめ、検証していきます。
◆給付金4630万円誤送金の時系列
2020年11月
24歳男が、町の「空き家バンク」制度を利用して移り住んできた。[1]
2022年4月3日（日）
町は、フロッピーディスクに入ったすべての世帯分の口座情報を銀行に渡し、給付金振込の手続きは完了した。[2]
2022年4月6日（水）
町職員が誤って、名簿の一番上にあった男の名前と、4630万円の金額が記載された振込依頼書を、金融機関に提出。
2022年4月8日（金）
誤送金を実行。
山口銀行からの指摘で町がミスに気づき、ただちに男の自宅を訪問。
組み戻しの了承を取り、銀行まで一緒に行ったが、男は、
やはり今日は手続きしない。後日、公文書を郵送してくれ
と、手続きを拒否された。[3]
2022年4月9日（土）
男と連絡取れず。
2022年4月10日（日）
男より、
知人の弁護士と相談する
という電話連絡あり。
2022年4月11日（月）
本人と連絡とれず。
2022年4月12日（火）
本人と連絡とれず。
2022年4月13日（水）
男の母親へ連絡し、事情を説明した上で、男の説得を依頼した。
2022年4月14日（木）
母親と副町長、職員１名が、男の勤務先であるホームセンターを訪れ男と面会したが、役場の非を延べ「弁護士と話す」の一点張りだった。
2022年4月15日（金）
男の弁護士より、町の顧問弁護士に対し、
近日中に母親立会いの下、組み戻し手続きを行うので、日時が決まったら連絡する
と連絡があった。
町は、誤振込に関する記者会見を行い、一連の事件が明るみとなった。
2022年4月20日（水）
男は、勤務するホームセンターの店長に、
阿武町の誤振込の件は自分だ。店に迷惑をかけるので辞めます
と打ち明けた。
2022年4月21日（木）
町職員が男の自宅を訪問。
男は、
お金はすでに動かした。もう戻せない。犯罪になることはわかっている。罪は償う
と話した。
2022年4月22日（金）
町が、公金の返還拒否に関する記者会見を行った。
2022年4月27日（水）
町議会の全員協議会で、詳細な状況および今後の対応を説明。
2022年5月9日（月）
町が、民事訴訟を行う方針を決定。
2022年5月12日（木）
阿武町は、全額の返還を求めて、山口地裁萩支部に男を提訴した。[4]
2022年5月13日（金）
阿武町は、決済代行業者が預金を持つB銀行、C銀行に対し、要請書を提出。
詳細は不明であるが、決済代行業者の素性を尋ねるとともに、資金は24歳男のものであることを主張したと思われる。
2022年5月17日（火）
返還を拒んでいる男が、
オンラインカジノで全額使った
と周辺に話していたことが分かった。
2022年5月18日（水）
山口県警は、24歳の男を「電子計算機使用詐欺」の容疑で逮捕した。[5]
男は調べに対し、
自分の口座に阿武町から誤って振り込まれたとわかっていて別の口座に振り込んでいたことについては間違いない
と容疑を認めている。
2022年5月20日（金）
決済代行業者のうち１社から、阿武町の口座に約3500万円が振り込まれた。[6]
2022年5月23日（月）
B銀行またはC銀行から、阿武町サイドへ電話があり、
5月13日の文書（要請書）についてしかるべき手続きをしました
と伝えた。
2022年5月24日（火）
午前11時、花田憲彦町長は記者会見し、
本日現在、合計で4299万3434円を法的に確保することができました
と公表した。[7]
◆まとめ
という訳で今回は、山口県阿武町で発生した誤送金事件を、時系列で振り返ってきました。
無事に公金が返ってくることを願いたいと思います。
◇脚注
- デイリー新潮 2022年5月13日 山口県阿武町「4630万円誤振込騒動」 知人が語る“ロン毛で無口”24歳ネコババ男の二面性
- NHK NEWS WEB 2022年5月17日 山口 阿武町 4630万円誤給付「オンラインカジノで使い切った」
- 阿武町 2022年5月12日 公金の誤振込とその後の対応について
- 読売新聞 2022年5月13日 山口・阿武町誤給付４６３０万円返還提訴、男性２週間かけ出金…退職し所在不明に
- 日本テレビ 2022年5月18日 逮捕の男「誤って振り込まれたとわかっていて別の口座に…」阿武町4630万円誤振り込み
- 朝日新聞 2022年5月23日 3500万円を阿武町へ返還、代行業者が入金 4630万円誤入金
- 山口放送 2022年5月24日 【山口】阿武町、法的措置によりおよそ４３００万円を確保
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