2015年10月、宮城県七ヶ浜町の住宅から、2人の遺体が発見され、警察は殺人事件として捜査を始めました。
今回は、東北の小さな町で暮らす『家族』に何が起きたのかを追っていきたいと思います。
◆母親
最初に遺体が見つかったのは、87歳の母親です。
七ヶ浜町東宮浜の自宅の、異臭が漂う庭で発見されました。
母親は、数年前に高血圧で倒れて以来、寝たきりに近い状態。
ケアマネージャーが定期的に訪問していましたが、2015年7月以降は、母親と会えなくなっていました。
◆長男
2番目に遺体が見つかったのは、51歳の長男。
同じ家の床下から発見され、死後数ヶ月が経過しており、死因は頭蓋骨骨折による脳の損傷でした。
後頭部に複数の傷があり、後ろから硬い物で殴られた可能性があります。
長男は、2009年秋ごろ、仙台市内の工場で働き始めました。
勤務態度はまじめで、これまで無断欠勤はなく、借金など金銭トラブルもありませんでした。
2015年3月、工場は、半年ごとの契約を更新する予定でしたが、長男は3月中旬から、無断欠勤となります。
担当者が、長男の携帯電話に何度も連絡しましたが、繋がることはありませんでした。
2015年2~3月ごろ、長男は町内で親しい近所の男性と会った際、「家にいたら殺されるかもしれない」と話しています。
男性は、「家族3人なんだから仲良くやれ」とアドバイスしますが、長男はおとなしく、冗談を言う性格ではないため、印象に残りました。
◆長女
長女は、同居はしていませんが、事件が起きた住宅のすぐ近くに住んでいました。
10月20日、自宅の鍵が開いていたことを不審に思ったケアマネージャーとともに室内を確認したところ、「母と2人で出ていく」という次女の書き置きを発見。
警察に通報しました。
長女は次女に関し、涙ながらに語っています。
「生活が楽ではない中、介護の疲れが相当たまっていた。責任感が強く、悩みを1人で抱え込んでいたのかもしれない」
◆次女
今回の事件で、重要参考人となっているのが、犠牲となった2人と同居していた50代の次女です。
次女は母親を介護していましたが、認知症で夜中に騒ぐこともあり、次女は近くに住む長女に「寝られない。もう嫌だ」などと度々、漏らしていました。
10月19日夜、長女宅を訪れた際も、「もう疲れた。(人生が)つまらない」などとこぼしています。
10月20日の朝、近所の男性が多賀城市内のバス停で目撃して以降、行方が分かっていません
◆まとめ
近所の男性は、事件が起きた家族について、「家族仲が悪い印象はなく、むしろ仲が良いほうだった」と話しています。
しかし、母親だけならば「介護疲れが高じて…」という図式が成り立ちますが、長男が犠牲になったのは何故なのでしょうか?
今はとにかく、次女の早期発見・早期確保が望まれます。
コメント