こんにちは、「脱力系」サラリーマンのカゲロウです。
5月2日は忌野清志郎さんの命日だったね。
わたしが初めてキヨシローを意識したのは、タイマーズだったろうか。
◆タイマーズの衝撃
もっとも、タイマーズを率いているのは、忌野清志郎さんによく似た「ゼリー」という人物であり、ゼリーは
RCはあんまり好きじゃない
と発言するなど、別人物という設定らしい。
まあ、それはそれとして、友人に貸してもらったアルバム「THE TIMERS」は、衝撃といえる内容だった。
「3部作」のリズム感は秀逸で、「ロックン仁義」はまさかの演歌だし、「デイドリームビリーバー」の甘美な歌詞とメロディー…
一瞬でキヨシロー(ゼリー)のファンになった私は、RCのアルバムもレンタルして聴き漁った。
◆カバーズの衝撃
その中の一つが「カバーズ」だった。
カバーズは、ジョンレノンの「イマジン」やプレスリーの「ラブミーテンダー」など、洋楽をカバーしたアルバム。
歌詞はキヨシローが日本語で作っているのだけど、この歌詞が問題で、
「放射能はいらねえ、牛乳が飲みてえ」
「37個も建っている、原子力発電所がまた増える」
と、原発事業を推進する「東芝」(レコード会社の親会社)を激怒させる内容だった。
まあ、今の東芝ならキヨシローに文句を言うパワーもなさそうだけど、当時は力のあった「東芝」。
結局、レコードは発禁となって、カバーズは違うレコード会社から出すことになっている。
◆忌野清志郎は反戦・反核・反原発だったのか?
なんでキヨシローは、こんなアルバムを世の中に出したのか?
最近知ったんだけど、キヨシローのお母さんの旦那さんが、レイテ島の海戦で亡くなっているらしいね。
そのお母さんも、キヨシローが3歳の時に病気で亡くなり、キヨシローはほとんど母の記憶がなかった。
しかし数十年後にお母さんの遺品が見つかるんだ。
そこには、戦争を憎んだ実母の姿の記録が残されていた。
初めて見るお母さんの写真と一緒にね。
すでに有能な表現者となっていたキヨシローの、心の一番深いところに、母の思いが乗り移った事は想像に難くない。
あのキヨシローの怒りとパワーの源泉はそこにあったんだ。
◆キヨシローはロックンローラー
そうじゃないと出せないよ、キヨシローって優しい人だもん。
カバーズを出すことで、それまでお世話になった人や仲間に、色んな影響が出たはずだよ。
それを
戦争はんたーい、原発はんたーい
みたいなノリで、無下にできないって。
カバーズや、それに続く反戦・反核の曲は、キヨシローの表現の一部なんだと思う。
それ以上でも、それ以下でもない。
キヨシローは反戦・反核・反原発の代弁者ではないんだ。
ただ、心の中の感情を音楽に乗せて歌う、ロックンローラーなんだ。
もう自分の口では語れないキヨシローに、色々と背負わせるのは止めようよ。
◆まとめ
タイマーズのデイドリームビリーバーでは、こう歌われている。
あー今は彼女 写真の中で、優しい目で僕に微笑む♫
この歌は、写真の中のお母さんを歌っていたんだね。
キヨシローはお母さんと天国で再会できただろうか?
コメント
[…] キヨシローの命日に思う。忌野清志郎は反戦・反核・反原発だったのか? […]