2019年7月18日、アニメ制作会社『京都アニメーション』が放火されると言ういたましい事件が起こりました。
今回は、2000年以降に発生した7つの放火事件を比較検証します。
◆過去の7つの放火事件
2000年以降に発生した大きな放火事件は、以下の7件です。
事件名 | 発生年月日 | |
1 | 京都アニメーション放火事件 | 2019年7月18日 |
2 | 大阪此花区パチンコ店放火事件 | 2009年7月5日 |
3 | 大阪個室ビデオ店放火事件 | 2008年10月1日 |
4 | ドン・キホーテ放火事件 | 2004年12月13日 |
5 | 歌舞伎町雑居ビル火災 | 2001年9月1日 |
6 | 武富士弘前支店強盗殺人・放火事件 | 2001年5月8日 |
7 | テレクラ放火殺人事件 | 2000年3月2日 |
大きな放火事件は、2000年代に多く発生していることが分かります。
この中で、2001年の「歌舞伎町雑居ビル火災」だけは、放火事件と断定されていません。
しかし、警視庁は「放火の疑いがある」として、捜査を継続しています。
火災は冬場が多いイメージがありますが、放火事件は春夏秋冬、いずれの季節でも発生していますね。
ちなみに消防庁の2018年統計によると、もっとも火災が多い月は3月となっています。
火災発生月 | 件数 |
1月 | 3,360 |
2月 | 4,077 |
3月 | 4,194 |
4月 | 3,952 |
5月 | 2,863 |
6月 | 2,410 |
7月 | 2,976 |
8月 | 3,808 |
9月 | 1,983 |
10月 | 2,638 |
11月 | 2,695 |
12月 | 2,944 |
合計 | 37,900 |
そして、死者が発生した火災の原因では「放火」が断トツでトップです。
火元出火原因 | 件数 | |
1 | 放火 | 216 |
2 | たばこ | 144 |
3 | ストーブ | 109 |
4 | 放火の疑い | 69 |
5 | こんろ | 42 |
6 | その他 | 703 |
合計 | 1,283 |
◆死亡者・負傷者数
各放火事件の死亡者・負傷者数は以下の通りです。
事件名 | 死亡者数 | 負傷者数 | 合計 | |
1 | 京都アニメーション放火事件 | 33 | 36 | 69 |
2 | 大阪此花区パチンコ店放火事件 | 5 | 19 | 24 |
3 | 大阪個室ビデオ店放火事件 | 16 | 10 | 26 |
4 | ドン・キホーテ放火事件 | 3 | 8 | 11 |
5 | 歌舞伎町雑居ビル火災 | 44 | 3 | 47 |
6 | 武富士弘前支店強盗殺人・放火事件 | 5 | 4 | 9 |
7 | テレクラ放火殺人事件 | 4 | 4 | 8 |
犠牲者数としては、2001年に発生した「歌舞伎町雑居ビル火災」が最も多く、44名。
死亡者数・負傷者数の合計は、今回の「京都アニメーション放火事件」が69名と、最大規模となっています。
◆犯人像
各事件の犯人像は、次の通りとなっています。
事件名 | 犯人 | |
1 | 京都アニメーション放火事件 | 41歳男 |
2 | 大阪此花区パチンコ店放火事件 | 41歳男 |
3 | 大阪個室ビデオ店放火事件 | 46歳男 |
4 | ドン・キホーテ放火事件 | 47歳女 |
5 | 歌舞伎町雑居ビル火災 | 検挙できず |
6 | 武富士弘前支店強盗殺人・放火事件 | 43歳男 |
7 | テレクラ放火殺人事件 | 65歳女(首謀者) |
『京アニ』事件で身柄を確保されたのは、関東在住の41歳の男です。
7件の放火事件を見ても、うち5件が40歳代の犯行で、うち4件が男による犯行ですね。
40代は、長年蓄積したうっ憤が爆発する年代なのでしょう。
また、2000年に発生した「テレクラ放火殺人事件」は首謀者である65歳女以外に、5人の実行犯がいます。
逆を言うと、テレクラ事件以外は、単独犯による犯行であることも特徴的です。
◆犯人の量刑
最後に、犯人が受けた量刑です。
事件名 | 犯人の刑 | 現状 | |
1 | 京都アニメーション放火事件 | – | – |
2 | 大阪此花区パチンコ店放火事件 | 死刑 | 収監中 |
3 | 大阪個室ビデオ店放火事件 | 死刑 | 収監中 |
4 | ドン・キホーテ放火事件 | 無期懲役 | 服役中 |
5 | 歌舞伎町雑居ビル火災 | – | – |
6 | 武富士弘前支店強盗殺人・放火事件 | 死刑 | 2014年8月死刑執行 |
7 | テレクラ放火殺人事件 | 無期懲役 | 服役中 |
そもそも、現住(人がいる)建造物に対する放火の量刑は、刑法第108条により、
死刑又は無期若しくは5
年以上の懲役
とされています。
当然、大きな放火事件を起こした犯人たちは、重い量刑となっていますね。
今回の『京アニ』事件の犯人も、重罪となる可能性が高いでしょう。
◆まとめ
という訳で今回は、過去に発生した7つの放火事件を検証してまいりました。
『京アニ』事件については、容疑者の身柄は確保されていますが、全身にやけどを負っていて、麻酔で眠っている状態です。
自業自得ですが、事件の全貌を解明するまでは、犯人には生き延びてもらわなければなりません。
最後に、事件で犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
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