2020年3月6日、埼玉県伊奈町で長女を虐待死させた両親が逮捕されました。
この家族に、いったい何があったのでしょうか?
◆埼玉・伊奈町虐待死事件
この事件が起きたのは、2017年12月のこと。
場所は、埼玉県伊奈町(いなまち)小室の一家の自宅です。
死亡した少女は、12月上旬から十分な食事が与えられず、低栄養状態となりました。
やがて、足を痛めて歩けなくなりましたが、両親は病院に連れていきませんでした。
そして12月21日夕、自宅で低体温症のため亡くなっています。
◆父親の職業は?
この事件で逮捕されたのは、今年(2020年)30歳になる父親です。
職業は「自営業」とされていますが、空調設備業のようですね。
逮捕容疑は保護責任者遺棄致死。
同罪は刑法第218条により、
遺棄罪又は保護責任者遺棄罪・不保護罪の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断される
とされています。
傷害の法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
結果に故意がある場合は、殺人罪が成立することもあります。
◆母親の年齢は?
父親とともに、28歳(2020年3月現在)の母親も逮捕されています。
母親の職業は「パート従業員」です。
母親は、長女が死亡したことについて、
浴槽で溺れそうになったので部屋で寝かせておいたら動かなくなった
と説明していました。
◆4歳の長女
この事件で犠牲になったのは、当時4歳の長女でした。
死亡時の長女の身長は、約90㎝、体重は約11㎏。
体重は、同世代の3分の2くらいしかなかったということです。
◆両親が行った虐待の数々
両親は長女に対し、数々の虐待行為を行っていました。
- 長女を雨の中、Tシャツ1枚で下着すら身につけていない状態で家の外に出した
- 長女が足の筋肉を断裂して歩けなくなったのは、長女の体を拭く際に2人が足を無理やり広げたため
- 長女が足を引きずって歩く動画を撮影し、夫婦間のLINEで見せ合っていた
- 死亡する数日前「腰の曲がりを矯正する」として、ダンベル(重さ約3㎏)を背中にのせた
- 死亡原因は、入浴後に寒気を訴えたのに部屋に放置したことによる低体温症
- 死亡時、長女の体には数十か所のあざがあった
そして、虐待事件のときに必ず問題となるのが、行政の対応です。
伊奈町は、2016年7月から長女に対する「しつけ」が行き過ぎていることを近隣住民の通報により感知していました。
そして、母親に対して注意は行っていたものの、児童相談所や警察には通報していません。
町は、通報しなかった理由について、
母親は指導に拒否的な態度をとる保護者ではなく、児相や警察の介入を必要とする困難事例と思われなかったので、通告しなかった。日常的に虐待しているとは考えにくかった
と、釈明しています。
◆まとめ
今回は、埼玉県伊奈町で起きた虐待事件の家族を見てまいりました。
- 父親…30歳(空調設備業)
- 母親…28歳(パート従業員)
- 長女…死亡当時4歳
この手の事件が起こるといつも思いますが、どうしてこんな事ができるのでしょうか?
この両親が最悪なのは言うまでもありませんが、人間の中に残忍性があることは、否定できません。
一人ひとりが他人事と思わず、社会全体で児童虐待をなくしていかなければいけません。
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