携帯電話の無料通話アプリ「LINE」で約束して決闘したとして、福岡市の少年ら13人が決闘容疑で書類送検されました。
何があったのか?
きっかけは昨年、当時中学生だった少年たちが地元高校の体験入学に訪れた際、違う中学校どうしでトラブルととなったことです。
その後、一方の少年がLINEでトラブル相手を見つけ出し、「出てこいよ」「大濠(福岡城跡)でやろう」
などとやりとりを交わし、決闘が約束されました。
決闘は総勢12名で行われ、1人が重傷、残る11人は軽傷を負いました。
当日は中学生ら約100人が見学に集まったというから驚きです。SNSの拡散能力が、思わぬところで発揮されています。
決闘の罪と罰
少年たちは決闘容疑で書類送検されています。
そうです。決闘や果し合いは罪となるのです!
決闘罪は明治22年に施行された法律であり、刑法よりも歴史がありますが、現在もなお効力をもった法律です。
刑罰は、決闘への関わり方で変わりますが、例えば決闘を行ったものは2年以上5年以下の懲役刑。
決闘立会人も、1ヶ月以上1年以下の懲役刑となっています。
何が問題なのか?
本件の問題点は、あくまで決闘という違法な手段でトラブルの決着を図ったことです。
日本には古来より果し合いの文化があり、巌流島の決闘などは有名ですが、近代化とともに暴力的な行為は問題であるとして、法律で禁止されています。
私が気になるのは、「LINEで決闘を約束!」と報道されることです。
たしかに、LINEは今回の決闘において果たし状を送るツールとして利用されていますが、LINEそのものが
問題の根源ではありません。
《岐阜の少年たちは、決闘して賞賛されています(?)》
【岐阜・可児】LINEで決闘申し込み!少年22人の罪と罰?
果し合いの約束が電話で行われたのであれば「電話で決闘を約束!」と記事の見出しにつくでしょうか?
LINEに限らず、新しいサービスが次々と生み出され、われわれはその恩恵を受けて暮らしています。
問題なのは、便利なツールを違法な手段として利用する人間なのであって、いじめや決闘の度にLINEが悪者あつかいされる現状は、本質を見誤っていると思います。
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