尾木ママも苦言/「宿題代行業」の罪と罰

夏休みも終わりに近づき、宿題代行サービスの是非が
注目を集めています。
◆宿題代行業とは?
宿題代行業とは、小・中学生を中心に、主要教科はもちろんのこと、読書感想文から絵画、工作にいたる
まで、宿題として出されるもののほとんどを代行する業態です。
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インターネット上では読書感想文1枚3000円、絵画1枚4000円などの代金が表示されており、問題1問
から受けるなどきめ細かいサービスが提供されています。
宿題代行業が成り立つ背景には、子どもが宿題に困って駆け込むというよりは、学校の宿題よりも塾や受験勉強に専念させたい親の意図があるようです。
◆尾木ママも苦言
夏休みが終わりに近づいた8月27日、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹氏が、世間で大繁盛しているという「宿題代行業」に対して「詐欺罪だ」と攻撃しました。
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尾木ママは自身のブログにて「犯罪に近いですね…一種の いや れっきとした『詐欺罪』です!!」と断じています。
批判する理由として、単に子どもが学力を養う機会を損なうというだけではなく、「子どもに、お金でなん
でもできるという歪んだ価値観教えることになります」と指摘。
これは教育上の重大な問題点であるとした上で、「こういう闇悪徳業者は追放するべきです」と断罪しました。
◆「宿題代行業」の罪と罰
宿題代行業は業務妨害であるという意見があります。
学校が生徒に宿題を出すことは、学校の「業務」であるので、その業務を妨害しているという理屈です。
偽計業務妨害は刑法233条により、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
しかし、個別の生徒の宿題を代行しただけでは、学校側に大きな混乱や支障が生じないので、偽計業務妨害罪の成立は難しいかもしれません。
では、尾木ママが主張する詐欺罪はどうでしょうか。
刑法上の詐欺罪は、人を欺いて財物を交付させる犯罪です。
宿題代行の場合、だまされるのは学校ですが、それで学校がお金を払う訳ではないので、刑法上の詐欺罪の成立も難しいようです。
◆まとめ
法律上はともかく、教育上は尾木ママの指摘通り、宿題代行業には問題があります。子どもに、学校に対して嘘をつくことを教える行為だからです。
しかし、学校側にも問いたいことがあります。
去年の焼き直しを機械的に行っていないでしょうか?
全体の教科のバランスを考えているでしょうか?
授業の遅れを宿題でごまかしていないでしょうか?
生徒の実力と分量・レベルを考えているでしょうか?
本当に生徒たちのことを思って課題を与えているのでしょうか?
宿題代行業という魔物を生み出したのは、このような学校の安易な姿勢であるのかもしれないのです。

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