爆破予告男の罪と罰／浜松市内の小学校に「爆発物を仕掛けた」

本日、浜松市の教育委員会に男の声で爆破を予告する電話があり、市内の小学生約4万4000人を、一斉下校
させる騒ぎとなりました。

◆何があったのか？

9月30日午前11時15分ごろ、浜松市教育委員会に男性と思われる声で「市内の小学校に爆発物を仕掛けた」と爆破を予告する電話がありました。
浜松市教育委員会は静岡県警浜松中央署に通報するとともに、101校あるすべての市立小学校の児童約4万4000人を一斉下校させました。
浜松中央署は、市内にある他4署とともに、約350人体制で校舎内外を捜索しています。

（浜松中央署）

◆爆破予告男の罪と罰

男は爆破予告をしたことにより、小学校の業務を妨害しています。威力業務妨害罪が成立し、刑法第234条により、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
この場合の業務とは、会社の経済的活動に限られず、授業を行うなどの活動も含まれます。
最近では、2014年3月、新潟県立高校に爆破予告の電話をかけた男に対し、新潟地裁は懲役2年、執行猶予
4年の判決を言い渡しました。

（新潟地裁）

◆本当に爆発物を仕掛けていたら

爆破予告だけならば、上記の罪で済むかもしれませんが、実際に爆発物を仕掛けていたら、こんなものではすみません。
まず、実際に爆破させた場合、激発物破裂罪に該当し、刑法117条により極刑または無期懲役もしくは5年以上の懲役刑となります。
爆発物を仕掛けただけ・・・つまり、激発物破裂罪の未遂を罰するかは条文に記載がないため議論があるようですが、未遂も罰するという考え方が大勢です。

◆まとめ

爆破予告男の目的が不明ですが、約4万4000人の小学生を下校させ、350人の警察官を動かすほどの理由があるのでしょうか？
多数の子どもに不安を与えるなど、社会に与える影響の大きさを考えると、もう少し重い刑罰を検討してもいいのではないかと思います。