作曲家の川島素晴氏(42)が、公務執行妨害容疑で警視庁
新宿署に逮捕されていたことが分かりました。
◆何があったのか?
川島素晴氏は10月3日正午ごろ、東京都新宿区内を乗用車
で運転中、道路交通法違反(一時不停止)で停車を求められ
ましたが、従わずに逃走しました。
その際、新宿区内のビル駐車場に車を止めようとバックし、
追ってきた白バイに車を衝突させた疑いがもたれています。
(川島素晴氏)
◆コンサートは中止に
これを受けて、サントリー芸術財団は、10月6日に東京・
赤坂のサントリーホール大ホールで開催予定だった
コンサート「作曲家の個展2014-川島素晴」を中止すると
発表しました。
タイトルの通り、川島素晴氏がコンサートの指揮・作曲を
手がけるコンサートであり、事件があった日はこのリハー
サルに向かう途中であったということです。
◆コンサート中止損害金は誰が負担するのか?
チケットは購入先のプレイガイド窓口で、10月7日~11月
6日まで払い戻しされるそうです。このように、コンサートの
中止によりチケット収入はなくなってしまいました。
一方で、これまでのPR費用や会場代、他の出演者や楽団員
に支払う出演料、スタッフの人件費など、莫大な金額は恐らく
なくならないでしょう。
コンサート中止による損害金は誰が負担するのでしょうか?
民法第415条は次のように定めています。
『債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、
債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することが
できる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をする
ことができなくなったときも、同様とする。』
今回のケースでは、川島素晴氏とコンサート主催者が、出演
契約をしていると思います。そして、川島素晴氏にはコンサート
に出演するという債務(義務)がありますから、川島氏が
債務者です。
そして、債務者である川島氏が債務の本旨に従った履行
(コンサートへの出演)をしない事になりますので、
債権者(コンサート主催者)は損害賠償を請求することが
できるという訳です。
415条の後半で、例えば台風や地震などの「やむを得ない
事情」による場合は、救済の措置も設けられていますが、
警察に捕まったのは「やむを得ない事情」に該当しません。
結論として、コンサート中止による損害金は川島氏が負担
することになるでしょう。
◆まとめ
以上は一般論であり、実際は契約書にこのような場合どう
するか?を定めてあり、契約書の内容が優先することに
なります。保険が掛けてある場合もあるでしょう。
しかし、いかなる決着が着くにしても、川島氏が関係者に
迷惑をかけた事には変わりありません。
川島素晴氏は、日本作曲家協議会の理事を務め、音楽大学
などで教鞭をとるなど、社会的責任も大きい方です。
罪を償い、損害賠償を済ませ、再び、日本の音楽界のため
に活躍していただきたいと思います。
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