10月4日、東京都内の宗教施設において、刺傷事件が相次ぎました。
◆東京・モスク刺傷事件
10月4日午後6時20分ごろ、東京都大田区蒲田のモスクの3階にいたパキスタン系日本人の男性(48)が、外国人とみられる男に後ろから抱きつかれ、包丁で首を切られる事件が起こりました。
事件当時、被害者の男性らは10月5日に開かれるイスラム教の祭り用の料理を調理していました。
そこへ男が突然侵入し、調理に使っていた刃渡り約20cmの包丁を取り上げ、被害男性に切りつけたため、周りにいた男性3人が取り押さえたという事です。
男性は首を切る軽傷で都内の病院に搬送されましたが、命に別条はありません。
(カマタ・マスジド)
◆東京・真如苑刺傷事件
その12時間前の4日午前6時10分ごろ、東京都立川市柴崎町の宗教法人「真如苑(しんにょえん)」総本部に入ろうとした同法人職員の男性(56)が、近づいてきた男に刃物で刺される事件が起きました。
犯人の男はそのまま逃走しており、警視庁立川署は傷害容疑で男の行方を追っています。
被害男性は腰に重傷を負って都内の病院に搬送されましたが、命に別条はないという事です。
(真如苑総本山)
◆2つの事件の共通点
これら2つの事件は、東京都内で同じ日に起きた犯行ですがそれ以外にも共通点が見受けられます。
(1)事件の不可思議さ
モスク事件の容疑者は外国人の男が捕まっていますが、身分証を持っておらず、意味不明な言動を繰り返しているという事です。
一方、真如苑の容疑者は捕まっていません。目撃情報では犯人は50歳前後で身長約170センチ、白いワイシャツ姿で、男性を刺した後にオレンジ色の自転車で逃げています。
片方の犯人は逮捕されていますが、身元すら不明な状況であり、両事件は犯行動機など闇の中に隠されています。
(2)宗教施設で起きた犯行であること
モスク事件は「カマタ・マスジド」と呼ばれる、東京・蒲田のモスクで発生しています。モスクとは、イスラム教における礼拝堂のことです。
一方、真如苑事件は、東京・立川の真如苑総本部の西門付近で発生しました。真如苑とは開祖・伊藤真乗により1936年に開教された仏教系の新宗教です。
(3)犯行の計画性
モスク事件の加害者の男は、2日前からモスクに出入りしているのを目撃されています。
また、真如苑事件の被害男性は「男とは面識がない」と話していますが、現場には男性以外に人通りがなかったことから、同署は、この男性を狙った計画的な犯行の可能性があるとみています。
◆まとめ
同じ時期に宗教施設を狙った事件が起きていることに、不気味さが見え隠れする事件です。
犯行の動機は何なのか?宗教施設を狙ったのは偶然なのか?捜査の進展と事態の解明に注目していきたいと思います。
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