中東の過激派組織「イスラム国」に北海道大の男子学生(26)が参加を企てた事件で、元大学教授が実質的に
仲介していたことが分かりました。
◆北大生をイスラム国へ仲介?
北大生を仲介していたのは、イスラム法学が専門の元同志社大教授、中田考(なかた こう)氏(54)です。
中田氏は、イスラム思想の分野では国内屈指の研究者で、昨年3月以降、調査などで5回、「イスラム国」の支配地域に入り、現地の様子などを発表しています。
北大生に関しては、「イスラム国の知り合いの司令官と連絡を取り、学生のシリア渡航計画を伝えた」と話しており、警視庁公安部は、元教授が実際に「イスラム国」側に仲介したとみています。
(中田考元教授)
◆中田考・元教授の罪と罰
北大生は、私戦予備及び陰謀罪の容疑がかけられています。
同罪は、外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その準備や陰謀をはかる事に対する罪です。
私戦予備及び陰謀罪が成立すると、刑法第93条により、3か月以上5年以下の禁錮刑に処せられる事となります。
ポイントは、実質的に仲介した中田氏が、同罪に当てはまらないのか?という点ですが、実はこの点ははっきりしません。
私戦予備及び陰謀罪が問われること自体が、法学者も驚くほど珍しいことであり、それを仲介・あっせんした人物を裁いてきた経験則・判例がないのです。
しかし、警察は中田氏の自宅を家宅捜索しており、同罪の適用も視野に入っている可能性があります。
(シリアへの渡航を呼びかける貼り紙)
◆まとめ
中田氏の説明では、『イスラムの教えに基づいて、イスラムに行きたい人は応援する』『元教育者なので、若い人は基本的に応援する』と主張しています。
一方で、北大生は生きる希望を無くしており、人生の最期を迎える場所として、イスラム国への渡航を希望していた感があります。
また、他人を傷つけたい、という発言もなされていました。
宗教の教えにはかなっているのかもしれませんが、このような若者をイスラム国へ送る事が正しいこととは、どうしても思うことが出来ません。
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