京都市伏見区で2014年8月、夫婦が死亡するなどした4件の連続放火事件で、伏見区内に住む17歳の少年が関与を認めていることが分かりました。
◆4件の連続放火の罪
少年は2014年11月中旬、伏見区内の民家から数十万円を盗んだとする窃盗容疑などで逮捕されました。ところが、取り調べの過程で、連続放火事件について自ら認める供述を始めたということです。
4件の連続放火事件では、複数の現場周辺で自転車に乗った若い男が目撃されていますが、京都府警は少年の関係先で、目撃証言に酷似した自転車を窃盗容疑などで押収しています。
また、別の日に起きた放火への関与も認めており、京都府警は今後、放火事件への関与を慎重に捜査する方針です。
(京都伏見連続放火現場1)
◆京都 伏見・連続放火事件
2014年8月1日午前4時50分ごろから午前5時5分ごろにかけ、京都市伏見区で4件の火災が連続して起きました。
最初に出火した4階建ての住宅と、隣接する民家の計3棟が全焼し、周囲の民家と小屋計2棟にも燃え移り、計約560平方メートルが焼けています。この火災で、60代の夫婦が死亡しました。
また、この火災の直後、西約300メートルにある資材置き場から出火し、約110平方メートルが全焼。さらに午前5時ごろ、北へ約600メートルの無人の倉庫約30平方メートルも全焼しました。
(京都伏見連続放火現場2)
◆17歳少年の刑罰はどうなるか?
まず少年は伏見区内の民家から数十万円を盗んだ疑いが持たれています。このような行為は窃盗罪を構成し、刑法第235条により10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
次に、現に人が居住している建造物に放火する行為は現住建造物等放火罪を構成し、刑法第108条により死刑または無期もしくは5年以上の懲役(20年以内)が科されます。
少年は未成年なので少年法が適用され、基本的には刑事事件とはならず、家庭裁判所による保護観察や少年院送致などの処分が行われます。
ただし、今回の事件では少年が16歳以上であり、故意の犯罪行為によって被害者を死亡させているため、検察官送致が決定され成人と同じ刑事手続きが踏まれると思われます。
それでも、18歳未満の者は少年法第51条第1項によりは死刑とはならず、また他の量刑についても同法により緩和される措置がとられます。
◆まとめ
江戸時代、放火は死罪だったそうです。これは、日本は伝統的に木製の住宅が多く、一たび火災が起こると
大惨事につながる極めて危険な犯罪であるためです。
その考え方は現代でも通用し、放火は極めて危険な犯罪であるとして刑法上も殺人罪と同じ刑罰が定められています。
少年が、ここまで危険な犯罪を犯した理由とは何だったのでしょうか?
少年法の精神は大切ですが、少年の心の闇の解明が不十分に終わらないようにしなければなりません。
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