日本政府がイスラム国から人質を救出・解放する3つの手段とは?

イスラム国から人質を救出・解放する手段は?

イスラム国が日本人2人を人質に取り、「2億ドル(約235億円)を72時間以内に支払わなければ人質の生命はない」とするビデオ声明を公開してから1日が経過しました。
イスラム国が考える「72時間」の起点がはっきりしていませんが、遅くとも日本時間の23日午後にはイスラム国が設定した期限となってしまいます。
日本政府が無事、人質を救出・解放する手段はあるのでしょうか?
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身代金支払い

まず、第1の手段は、身代金を支払う事です。
安倍首相はこのことについて直接コメントをしていませんが、関連して「国際社会は断固としてテロに屈せずに対応していく必要がある」と述べています。
身代金を支払わないようにもとれますが、最終的な方針は決定していないと思われ、スタンスをフリーにしておく必要があったのでしょう。
支払う場合のネックは、身代金が約235億円と巨額であることです。
財源は税金という事になりますが、身代金支払いに対する国民の意思は大きく2分されており、テロリストに巨額の身代金を支払う事は実質的に困難でしょう。

解放交渉

第2の手段は、交渉により人質を解放させる事です。
警察庁は日本人が海外でテロに巻き込まれた際に派遣する「国際テロリズム緊急展開班(TRT-2)」を派遣することを決定しました。
TRT-2は捜査や鑑識、人質交渉などを専門に行うチームであり、現地の捜査機関などと連携して犯人の特定、接触、人質返還の交渉を図るものと思われます。
イスラム国は原則として交渉に応じない立場ですが、過去、イギリスがイラン革命防衛隊と交渉して、原則に違反しない形で政治的妥協点を見出し、英国人の解放に成功した事例などがあります。

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人質奪還

最後の手段は、実力で人質を奪還する事です。
日本は従来、軍の特殊部隊を持たず(そもそも軍隊を持たないという立場)、このようなケースでは同盟国のアメリカなどに人質奪還を依頼するというのが基本的方針でした。
しかし、いくら同盟国のためとはいえ、外国で発生した事件で、外国人の人質を救出するために自国の兵士を危険な任務につかせることには消極的となりかねません。
このような経緯を経て、日本でも2004年、陸上自衛隊に約300人の特殊作戦群が配置されており、他国における特殊偵察や直接行動などを任務とすると考えられます。(任務や装備の内容は非公表)
恐らく日本で唯一、実力で人質を奪還する能力を持った存在だと思われます。
《惨劇は繰り返されています…》
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まとめ

巨額の身代金支払いは実質不可能であり、交渉により身代金の減額や無条件解放の可能性がない訳ではありませんが、現状は極めて困難な状況です。
2004年に陸自の特殊作戦群が発足した当初、その実戦化には10年~15年が必要と考えられていましたが、奇しくも10年が経過したところで今回に事件が起きました。
特殊作戦群の出動には法的な問題などが多数ありますが、必要な局面では躊躇すべきではありません。今、出動せずに、いつ出動するのでしょうか?

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