2015年2月5日、日本マクドナルドホールディングスは2014年度の決算を公表し、巨額の赤字に転落したことを明らかにしました。
218億円の巨額損失
同社の2014年度の売上高は2223億円となりましたが、これは前期2604億円から381億円(14・6%)減少しています。
本業のもうけを示す営業損益は赤字で67億円、最終損益に至っては218億円の巨額赤字を計上することとなりました。
赤字の理由は、長期的に続く販売不振に加えて、2014年7月にはチキンナゲット用の中国鶏肉工場での期限切れ問題が発覚し、大きく販売が落ち込んだためです。
中国工場の問題はすでに対策が講じられており、それでは今年は業績が上向くのかというと、以下の3つの理由によりNOだと思います。
(決算発表の場で初めて謝罪するカサノバ社長)
1.異物混入問題
実は、今回の巨額赤字の原因に、大事件となった異物混入問題は含まれていません。
一連の問題が次々と発覚し、本格的に客離れが起こったのは2015年1月に入ってからのことであり、その結果は今年(2015年度)の決算に影響するものであるからです。
ちなみに本日、決算と同時に発表された2015年1月の1ヶ月間の売上高は、前年の同じ月と比べ38.6%減少し、上場以来最大の落ち込みとなりました。
異物混入の影響は依然続いており、通常このタイミングで発表するはずの2015年度1年間の業績予想は公表できない事態となってしまったのです。
2.割高感
二番目の理由はもっと本質的な部分ですが、最近、マクドナルドは価格を少し上げています。
モスバーガーよりは安い設定なのですが、モスとは品質(おいしさ)が違うため、少し安いだけならモスや違う業態の店が良いという利用者が多いのです。
現在のマクドナルドの価格と品質はアンバランスであり、割高感が生じているため、異物混入問題がなくとも顧客離れが進んでいたというのが実態といえます。
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3.経営トップの問題
日本マクドナルドホールディングスのサラ・カサノバ社長は、決算発表の記者会見で、商品への異物混入が相次いで明らかになったことについて陳謝しました。
しかし、問題直後の記者会見には姿を現さず、その後も沈黙を続けた姿勢には、日本企業のトップである自覚が足りないと言わざるを得ません。
日本の消費者は、異物混入に対する見解を経営トップに聞いて安心したいのであり、カサノバ社長の姿勢は、欧米的には正しくても、日本的には正しくありません。
このカナダ人社長の姿勢は、割高感で離れ、異物混入でもっと離れてしまった日本の消費者の心を、今年も取り戻すことが出来ないでしょう。
まとめ
自ら業績不振をリードし、異物混入対応で混乱を拡大させたカナダ人トップに残された道は、一つしかないでしょう。
サッカー日本代表の監督と同じように、日本企業のトップは日本人が適しているのかもしれません。
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