大塚家具の内紛が明るみに出て久しいですが、ゴタゴタは収まらず、決着は2015年3月27日に行われる株主総会に持ち込まれることとなりました。
株主総会を制し、一連の争いの勝者となるのは、いったい誰なのでしょうか?
◆久美子社長か?
久美子社長は、一橋大学→富士銀行→コンサルタント会社などを渡り歩き、経営学を頭脳に叩き込んだプロ経営者です。
上場企業トップとしての株主対応も絶妙であり、社外役員の増員や配当の増額などを矢継ぎ早に打ち出し、1,000円前後であった株価は、一時2,500円に迫りました。
この意味で、株主は久美子社長を選びそうな気がしますが、創業者の勝久会長と比べると経営手腕は未知数であり、目に見えて会社を成長させた実績はありません。
株主が真に求めるのは、会社が利潤を上げることによって還元(配当など)を受けることであり、必ずしも経営学に通じた経営者である必要はないのです。
◆勝久会長か?
勝久会長は、タンス職人から一代で日本有数の家具販売チェーン「IDC大塚家具」を築き上げた立志伝中の人物です。
会員制で顧客を囲い込み、トータルで家具を提案する手法は時代にマッチし、大塚家具はジャスダック上場・年商500億円を上回る一流企業へのし上がりました。
経営者にとって最も重要な実績を上げてきている勝久氏こそ、株主の信頼を得るにふさわしい人物なのかもしれません。
しかし、顧客の好みが変化してきたことや、日本人の所得が減ってきたことで、従来のやり方は徐々に通用しなくなっています。
これまでの成功体験が、会社に必要な変革を阻むようであれば、「ここでご退場願う」のが良いのかもしれません。
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◆または第三者か?
実は、内紛の勝者は、社長や会長に限られません。まず、ほくそ笑んでいるのは一般株主でしょう。
内紛で会社自体が注目を集めていることや、大幅な配当の増額発表などにより、株価は従前の約2倍の水準となりました。
さらに委任状争奪戦が展開されているため、両陣営とも株主にメリットが出るような積極的な経営計画を出さざるを得ず、今後も株価が上昇する可能性があります。
株主にとっては「内紛大歓迎」といったところでしょうか。
◆まとめ
他にほくそ笑んでいる人はいないでしょうか?
私がニトリやIKEAの人間ならば、表向きは「他企業の事は関係ない」と言いながら、この隙に一気にシェアを奪おうと考えるでしょう。
トップ2である父娘が株主のメリットを考えている間に、ニトリやIKEAは顧客のメリットを考えている訳です。
内紛の真の勝者は誰なのか?結果はそう遠くない未来に出てくると思います。
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