東京都内の小学校に侵入し、ヤギをバールなどで虐待した中学生が、警視庁に逮捕されていたことが分かりました。
ヤギを虐待
建造物侵入の疑いで逮捕されたのは、立川市立中学3年生の男子生徒です。
男子生徒は2015年2月中旬の未明、立川市内の小学校に、バールやのこぎりを持って侵入し、飼育されているヤギをバールで小突くなどして虐待しました。
男子生徒が施錠されたヤギの小屋に入ろうとした際、ヤギが鳴いて騒いだため、付近をパトロール中の警察官が気付いて見つかり、逮捕されたものです。
少年は「イスラム国に影響を受けて人を殺す練習がしたかった。ヤギを殺そうと思った」と供述しており、自宅PCからは「イスラム国」の映像が多数見つかりました。
（事件現場・画像）
中3男子の罪と刑罰
男子生徒は、立川市内の小学校に、バールやのこぎりを持って侵入し、飼育されているヤギをバールで小突くなどして虐待しました。
正当な理由がないのに、人の建造物などに侵入した者は、刑法第130条により、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。
ただし、男子生徒は犯行当時14～15歳なので少年法が適用され、原則として家庭裁判所で保護処分が決定されることとなります。
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なぜ建造物侵入罪のみ？
少年は、殺人の練習のためヤギを虐待していますが、罪名は建造物侵入罪のみです。なぜ、殺人予備罪や凶器準備集合罪、動物愛護法違反などに問われないのでしょうか？
まず、刑法第201条の殺人予備罪は、具体的に殺人を遂行する意図を必要とし、単に準備行為をするだけでは成立しません。
次に、刑法第208条の3凶器準備集合罪は、2人以上のものが凶器を準備して集合する必要があり、男子生徒は単独犯であるから、そもそも当てはまりません。
三番目に、動物愛護法第44条は、「愛護動物をみだりに傷つけた者」などを罰すると定めており、ヤギに対する暴行のみ（ケガなし）の状態では成立しません。
まとめ
男子生徒は「イスラム国の処刑シーンを見て触発された」と供述しています。
さしずめ、ジハーディ・ジョンを気取っていたのかもしれませんが、動物とはいえ傷つけたり生命を奪ったりすれば、立派な犯罪となります。
この生徒が問われた罪では、少年院にすら入らないかもしれませんが、せめて同じ過ちを繰り返さないよう、しっかりと反省を促したいと思います。
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