2015年4月15日、茨城県取手市で、自転車で帰宅途中の男性が、クロスボウで撃たれる事件が発生しました。
◆クロスボウで足を撃ち抜く
被害にあったのは、取手市内に住む47歳の会社員男性です。
男性は、4月15日未明、駅から自転車で帰っていたところ、いきなり右足に激痛が走り、足を見ると矢が刺さっていました。
男性はそのまま帰宅し、病院に運ばれましたが、クロスボウの矢のようなものが右足のふくらはぎの部分を貫通していて、全治２週間の軽傷だということです。
矢の長さはおよそ40センチで、直径およそ8ミリ、先端は金属製とみられています。
（イメージ）
◆クロスボウを撃った犯人の罪と罰
クロスボウを撃った犯人は、男性の右足を貫通させ、全治2週間の負傷を負わせています。
人の身体を傷害したものは、刑法第204条の傷害罪を構成し、15年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
ただし、クロスボウは車のドアも貫通するくらいの威力があり、当たりどころが悪ければ生命の危険すらある武器です。
犯人が殺意をもってクロスボウを撃っていれば、刑法第203条の殺人未遂罪が問われることとなるでしょう。
殺人未遂は、刑法第199条により、死刑または無期もしくは5年以上（20年以内）の懲役刑ですが、未遂なので刑を減軽することが出来ます。
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◆類似した事件の裁判例
過去の類似した事件としては、2014年10月に広島県福山市で発生した事件が上げられます。
この事件で25歳の父親は、2歳の長男が勝手にテレビのリモコンを触ったことに腹を立て、足や腕などに向けて約230発のエアガンを命中させ、父親は傷害罪に問われました。
広島地裁福山支部は公判で、「長男の体には頭や背中、脚まで点状の皮下出血が無数にあり、一時は貧血気味になった。執拗に弾を浴びせた犯行態様は相当に悪質だ」と指摘しました。
判決は、懲役2年6ヶ月の求刑に対し、懲役1年2ヶ月の実刑判決を下しました。
◆まとめ
今回の事件で被害にあった男性は、トラブルなど思い当たることはないと話しているといます。
もし愉快犯の犯行であるならば、第2第3の事件が起こる可能性が高く、子供などが狙われた場合、非常に危険です。
現在ではインターネットなどで簡単に手に入るクロスボウの規制についても、議論が出てくることでしょう。
ちなみにクロスボウは洋弓銃のことで、ボウガンとは、洋弓銃を取り扱う会社の名前だそうです。
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