2015年4月22日、首相官邸に小型の無人飛行機「ドローン」が侵入した事件の続報です。
ドローン侵入事件
この事件は、4月22日午前10時半ごろ、首相官邸の屋上ヘリポートに小型の無人飛行機「ドローン」が侵入しているのを、官邸職員が発見し判明しました。
ドローンは直径50cm程度、4枚のプロペラで飛行するタイプのものであり、カメラが付いていたほか、発煙筒やペットボトルのようなものが積まれていました。
発見当時は横転などはしておらず、通常の着地のような状態だったという事であり、当初墜落や落下と報道されましたが、意図的に侵入させた疑いがあります。
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ドローンに放射線!
積まれていたペットボトル容器は直径3センチ、高さ10センチぐらいでプラスチック製とみられ、あずき色で中身が見えませんが、放射能を示すマークが付いていました。
そして、中身の液体を調査したところ、微量の放射線が測定されたということです。
当初、ドローンが侵入した理由は、間違いなのか、イタズラなのか分かりませんでしたが、こうなると一気に犯罪の可能性が高くなってきます。
首相官邸にドローンを侵入させた犯人は、どのような罪と罰が問われるのでしょうか?
首相官邸にドローン侵入させた罪と罰
侵入対象が首相官邸であることから、考えられる一番重い罪は、内乱罪でしょうか。
国の統治機構や憲法が定める統治の基本秩序を破壊する事を目的として暴動を起こす行為は、刑法第77条の内乱罪を構成し、死刑または無期禁固刑が科せられます。
内乱罪に規定される暴動とは多人数を要すると考えられ、首謀者と従事者が存在する事となりますが、従事者や単なる暴動参加者はもう少し軽い刑罰となります。
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その他考えられる罪と罰
また、内乱罪までいかなくても、ドローンに放射性物質を積んで首相官邸に侵入させる行為は、国家に対する脅迫と言えます。
公務員が職務を執行するに当たり暴行・脅迫を与える行為は、刑法第95条第1項の公務執行妨害罪を構成し、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
この他、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」などに抵触する可能性もあります。
まとめ
フランスでは昨年以降、大統領府周辺などで不審なドローンが飛行し、2015年1月には米国のホワイトハウスにドローンが墜落する騒ぎがありました。
今回の事件は、これらと比べても危険で悪質な行為であり、国内でドローンを規制する動きが出てくることでしょう。
ただ1つ懸念するのは、私たちの生活をより楽しく・より便利に、変えてくれる可能性があるドローンの、本質までが規制されてしまうことでしょうか?
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コメント
放射性物質が脅迫に該当する量になるかどうかが、すごく気になります。もしその量を問題のある量としたなら、それを基準に除染レベルを再策定することを迫ることになりますし、1F周辺で働く人に対し、そのレベルであれば間違いなく給与にプレミアを与える必要がある、ということになります。 同様にいろいろな基準がそこに関わってくるので、この件の司法判断が行政と東電に著しい影響を与えます。
山本容疑者もこの点を解っていてやっていると思います。ドローンは1回でこの事件を確実に惹き起こすための単なる手段でしょう。ドローンのメーカーがちょっと可哀そうです。
現在のところ、測定されたガンマ線は最大で1時間当たり
最大1マイクロシーベルトであり、人体に影響のない範囲と
されています。
ご指摘の通り、ドローンは手段の一つであり、ドローンを
規制すれば問題が解決する、という訳ではありません。