2015年5月12日、埼玉県草加市で、77歳の父親が46歳の長女を殺害する事件が発生しました。
◆埼玉・草加殺人事件
殺人未遂の疑い(後に殺人容疑に切り替え)で埼玉県警草加署に逮捕されたのは、被害女性の父親で、草加市氷川町に住む77歳の男です。
父親は、5月12日午後0時35分ごろ、自宅で、46歳の長女の首などを刃物で切りつけるなどして、死亡させた疑いが持たれています。
父親は、「娘を殺した」と自ら通報し逮捕されましたが、調べに対し、「頭に血がのぼっていて、殺害しようとしたかは分からない」と供述しているという事です。
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◆事件の背景
警察によると、2014年5月以降、77歳父親の三女(43)から、父親に関する相談と「父が押し掛けてきた」といった内容の通報があっていました。
また、2014年12月から2015年4月まで、77歳父親から3回にわたり、「自分が被害に遭っている」との通報を受けていたという事です。
警察は、保健所などに相談するよう促しており、事件前の5月12日午前中には、市役所と保健所が、被害女性らと77歳父親について話し合っていました。
その後、長女が1人暮らしの父親の自宅を訪れ、事件に巻き込まれました。
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◆77歳父親の罪と罰
人を殺害する行為は、刑法第199条の殺人罪を構成し、法定刑は死刑または無期もしくは5年以上の懲役が科せられます。
「5年以上の懲役」といっても無制限ではなく、刑法第12条第1項により有期懲役は原則として1ヶ月以上20年以下の期間が指定されます。
なお、刑法第39条2項において「心神耗弱(こうじゃく)者の行為は、その刑の減軽をする」と定められており、裁判所により加害者の精神異常が認められれば、刑は必ず軽減されることになります。
◆まとめ~埼玉・草加殺人事件
埼玉県警は通報などへの対応について、「関係者への助言、関係機関への通報などできる限り対応した」と釈明しましたが、結果として最悪の事件へとつながってしまいました。
これから、団塊の世代が高齢を迎えるに当たり、このような事例は急激に増加してくるでしょう。これまでの延長線上のやり方では対応が難しくなります。
家族や警察のみならず、保健所や市、医師、町内会、遠方の親せきまでも巻き込んだ、オール関係者体制で対応する枠組みを作る必要があるのではないでしょうか?
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