【新幹線火災】事故でなく事件では?焼身自殺した71歳男の罪と罰

2015年6月30日、新幹線内で男が焼身自殺をはかる事件が発生しました。

◆新幹線内で焼身自殺

この事件は、6月30日午前11時半ごろ、東京発新大阪行きの東海道新幹線「のぞみ225号」車内で発生しました。
東京都在住の71歳の男が、1号車の前方通路でポリタンクの液体をかぶり、自らライターで火を付けたということです。
新幹線車内には乗客約830人がおり、火をつけた本人と横浜市の52歳の女性が巻き込まれて死亡したほか、26人が重軽傷を負いました。

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◆71歳男の罪と罰

71歳の男は、走行中の新幹線内で油と見られる液体をかぶり、ライターで火をつけた結果、煙に巻かれて女性が死亡したほか、たくさんのケガ人が発生しました。
人が現に住居に使用しているか、または現に人のいる建造物等(建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑)を放火により焼損させる行為は、刑法第108条の「現住建造物等放火罪」を構成します。
同罪の法定刑は、「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」ということで、殺人罪と同じ法定刑となっており、極めて重い罪とされています。
なお、被疑者(犯人)が死亡している場合、事件は検察官に「送検」されますが、被疑者死亡を理由に「不起訴」(裁判にかけない)となります。

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◆事故でなく事件では?

国土交通省は、この東海道新幹線の火災について、新幹線では初の「列車火災事故」と認定しました。
しかし、一般の感覚で事故とは、「過失により損害を起こすこと」「損害が発生しているが犯罪の疑いのないもの」を指すものであり、本件を「事故」と定義する事には違和感があります。
では、なぜ「事故」と認定したのでしょうか?
運輸安全委員会が事故調査をする基準は、(1)列車衝突事故、(2)列車脱線事故、(3)列車火災事故、(4)その他の事故、(5)重大インシデントとされています。
この事件について運輸安全委員会を動かし、詳しく検証するためには「列車火災事故」と認定する必要があったのでしょう。
法律用語として「列車火災事件」までは想定していなかったのです。

◆まとめ

事件に巻き込まれて亡くなった女性は、フェイスブックに「今日は、これまでの平穏無事のお礼参りに伊勢神宮へ伺います」と書き込んでいました。
その直後に発生した悲劇。
これは、まぎれもなく許しがたい「事件」であることに疑いの余地はありません。
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