2016年5月4日、島根県邑南(おおなん)町内の県道で落石があり、軽自動車を直撃しました。
◆島根邑南・落石で女子大生死亡
この事故で、軽自動車の助手席に乗っていた18歳の女子大生が、全身を強く打ち、病院に運ばれましたが死亡しました。
車を運転していた52歳の母親も、頭に軽いケガをしています。
現場は片側1車線の右カーブで、進行方向の助手席側が斜面になっていました。
石は直径約1mで、道路横の斜面から、防護柵を突き破って落ちてきたとみられます。
◆どうやって注意すればよいのか?
事故現場付近には防護柵があったことから、「落石注意」の標識もあったのではないかと思われます。
事故の前日には、付近は雨が降っており、運転者は「落石に注意しなければ」という認識を持つかもしれません。
しかし、どうやって落石に注意すればよいのでしょうか?
落ちてくる落石をかわすことなど、出来るのでしょうか?
◆「落石注意」の意味
国土交通省のホームページによると、次のように解説されています。
この先に路側より落石のおそれがあるため車両の運転上注意が必要であることを指します。なお、「落ちてくる石(岩)」もしくは「道路に落ちている石(岩)」の一方のみに対して注意が必要であるということではありません。
まず、落ちてくる石(岩)だけでなく、すでに落ちてしまった石(岩)が転がっているかもしれないから注意せよ、という事なのですね。
しかしやはり、落ちてくる石(岩)にも注意せよ、という意味も含まれています。
これは、「かわせ!」「よけろ!」というよりは、「速やかに通り抜けてください」という意味のようです。
例えば、車を路肩にとめて携帯電話に出たり、地図を確認したり、景色を眺めたり…
こういった行為は、落石注意の標識がある場所では慎みましょう、という意味なのですね。
◆落石の責任は?
今回の事故のように、注意しても不幸にして落石と衝突してしまった場合、責任はどうなるのでしょうか?
これについては、最高裁の判例があり、「安全であるべき人工の道路に瑕疵があるとして、行政に賠償責任がある」という事になっています。
ちなみに、標識の設置の有無は関係ありません、行政の責任は重大なのです。
◆まとめ
今回の事故にあった母子は、ゴールデンウィークを利用して、父親の実家に向かっているところでした。
不幸としかいいようがありません、ご冥福をお祈り申し上げます。
せめてもの教訓として、私達がハンドルを握るときは、危険なのは対向車や歩行者だけではない事を肝に銘じるべきでしょう。
コメント