2016年4月14日、午後9時26分、熊本地方で震度7の大地震が発生しました。
今回は、犠牲となられたタクシー運転手とその家族のお話です。
◆61歳の息子と94歳の母親
14日の地震で、最も被害が大きかった熊本県益城町。
15日未明、2階建ての木造家屋が崩れ落ちた前で、女性が泣き叫んでいました。
消防隊員や自衛隊員、警察のレスキュー用車両なども駆け付け、1階部分が押しつぶされた家の下敷きになった2人を、懸命に捜します。
消防隊が午前4時前、2人をがれきの中から見つけ出しましたが、意識不明。
その後、死亡が確認されました。
犠牲となったのは、61歳の男性と94歳の女性。
2人は実の親子でした。
◆職業はタクシー運転手
61歳男性の職業は、タクシーの運転手でした。
男性は、午後9時ごろからの夜勤が多く、この日は母親の近くで、出勤前の仮眠をとっていたということです。
◆親孝行な息子
94歳の母親は、数年前に夫を亡くし、最近は体調を崩していました。
『わが家で暮らしたい』
こう希望する母親を、この冬、息子は病院から引き取ったばかりで、毎日そばで寝ていました。
親しい税理士は、
「あんな優しい人が亡くなるなんて信じたくない」
と声を落としました。
◆タクシー運転手の家族
この一家は、夫婦と中高生の息子2人、そして、男性の母親の5人暮らしでした。
地震の時、妻と子供たちは間一髪で逃げ出し、助かりましたが、1階部分が押しつぶされ、男性と母親が下敷きになります。
無事だった妻は「助けて早く。2人おるけん」と声を上げ、救出作業を見守りましたが、願いは叶いませんでした。
近くでカメラ店を営む男性(57)は、
「本当に優しく礼儀正しい親子だった。残念でならない」
と肩を落としました。
親族の女性(43)は、
「(母親は)ひ孫に当たる私の息子を『お宝さん』と呼び、かわいがってくれた。(男性も)優しい人だった」
と話しました。
◆まとめ
今回の地震は複数日にまたがり、範囲も熊本県から隣県へ広がりを見せています。
自然の圧倒的な猛威を前に、私たち人間は余りにも無力です。
これ以上犠牲者が出ないよう、私たちに出来ることは、神に祈るしかないのでしょうか?
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