2016年4月14日、午後9時26分、熊本地方で震度7の大地震が発生しました。
今回は、犠牲となられた29歳男性と、その家族のお話です。
◆29歳男性が犠牲に
4月15日未明、熊本県益城町のマンション敷地から、女性の声が響きました。
助けて、助けて
ブロックの塀が崩れ、熊本市東区の29歳男性が、下敷きになっていたのでした。
自身も負傷した知人女性が助けを求めましたが、救急隊はなかなか到着しません。
午前2時前にレスキュー車が到着し、午前3時ごろ、男性を引きずり出しましたが、すでに力尽きていました。
◆3人兄弟でキャッチボール
犠牲となった29歳男性は、農家の三男として生まれました。
親族男性によると、
自分が後を継ぐような気持ちで、小さいころから農業を一生懸命手伝っていた
男3人兄弟の末っ子として育ち、小さいころはよくみんなでキャッチボールをしました。
野球をしていた兄2人の背中を追い掛け、小学校からは本格的に野球に打ち込みます。
中学はリトルリーグでプレーし、熊本県立熊本農業高時代は、投手として甲子園を夢見ました。
就職し、野球から離れても、大ファンのプロ野球・巨人の試合では、テレビの前で兄弟そろって声援を送っていました。
◆男性の職業は?
犠牲となった29歳男性の職業は、弁当店勤務。
8年間、弁当店の調理場でまじめにこつこつ働き、職場でも慕われ、店長に昇格していました。
行ってくるね
前日の夜、いつものように元気に出かけた男性は、帰らぬ人となりました。
亡きがらを自宅で迎え入れた、34歳の兄は、
うそだろ。生きてるよなあ…
その後しばらく、次の言葉を発することができませんでした。
◆まとめ
犠牲となった29歳男性は、昔から誰とでも仲良く話す明るい性格でした。
親族の女性はこう語ります。
ブロックの下敷きになるなんて、さぞ苦しかっただろう
中学時代からの、28歳の友人は呻きます。
1週間前に会い、何げない会話を交わしたが、あれがまさか最後になるなんて
まさに一寸先は闇。
早すぎる男性の旅立ちは、残された家族にとって、どのような意味をもたらすのでしょうか?
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