2016年11月12日、東京・立川の病院敷地内で車が暴走する事故が発生しました。
今回は、事故の被害者と加害者、そしてその家族を追っていきます。
◆立川・病院暴走事故
今回の事故は、東京都立川市にある「国立病院機構災害医療センター」の敷地内で発生しました。
車が敷地内の駐車場から出るとき、料金所の開閉式のバーを押しのけてそのまま直進。
植え込みを突っ切って歩道に乗り上げたのです。
車の運転席には、小銭が散らばっていました。
運転手が、料金を投入しようとした際、誤ってアクセルを踏んだ可能性があると見られています。
◆39歳男性
この事故の1人目の犠牲者は、東京・八王子に暮らす39歳の男性でした。
男性の職業は会社役員を務めており、勤務する会社の社長は
彼は役員でうちの仕事の要。惜しい人を亡くしてしまった…
と話しています。
◆男性の妻、子供は…?
突然の悲報に、男性の妻(40)は、
まだ気持ちの整理が付いていない。優しくて大勢の人から頼られる人だった…
と話しています。
66歳になる妻の父親は、
少しこわもてだけど優しくて思いやりがあった。旅行に行くといつもおみやげを買ってきてくれた。涙が止まらない…
と、声を詰まらせました。
男性に子供さんがいたかどうかは、明らかにされていません。
◆男性の兄弟
男性は、兄と弟の3人兄弟でした。
47歳のお兄さんと38歳の弟さんは取材に応じ、
(亡くなった男性は)3兄弟の中で一番やさしく、面倒見がよかった…
と話しました。
実は、男性にはもう一人お兄さんがいましたが、まだ男性が生まれる前、3歳の時に交通事故で亡くなったそうです。
再び、交通事故で身内を失った衝撃に、兄弟は肩を落としています。
◆35歳女性
この事故では、男性の知人で35歳の女性も犠牲となっています。
この女性は、3人姉妹の真ん中で、母、姉と3人で暮らしていたそうです。
女性の近所の方は、
いつも朗らかできれいな人。犬を連れて散歩する姿をよく見かけた。丁寧にあいさつをしてくれていたのに…
と話しました。
◆83歳女性
一方、事故を起こした乗用車を運転していたのは、83歳の女性でした。
83歳女性は、夫が8月から入院し、ほぼ毎日、見舞いのために車で病院へ通っていたそうです。
最近は夫が高熱で肺炎になり、
ここ2、3日が山
と言われていました。
近くに住む女性は、
1人で面倒を見て、疲労がたまっていたんだと思う。11日は徹夜で看病し、『ゆうべは大変だった。お父さんの冬支度を取りに来た』と話していた
と振り返ります。
◆まとめ
何ともやりきれない事故です。
高齢者の運転の問題は、対策が「待ったなし」ですが、そこに地方の交通事情と老老介護の過酷さがのしかかります。
加害者にも被害者にも、背後には大切な『家族』がいる…
問題の解決は、このことを忘れないようにしなければ、近視眼的な議論となってしまうでしょう。
犠牲となられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
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