2016年12月7日、長崎県対馬市で父娘の焼死体が見つかった事件は、放火殺人の可能性が高くなりました。
平穏に暮らす父娘に何があったのでしょうか?
◆65歳・父親の職業は?
この事件で犠牲となったのは、長崎県対馬市豊玉町に住むこの家族の父親で、65歳の男性です。
父親は、若くしてイカ釣り漁師となり、不漁や燃料高騰が続いても、漁師という仕事を誇りにしてきました。
気さくな人柄が漁師仲間や近所の住民に慕われており、
「あと10年は漁師を続ける」
と、意気込んでいたということです。
数週間前、父親は漁船のエンジン交換を漁協に相談していました。
漁協関係者は、
「古川さんは事件のあった日に、エンジンを取り換えた船を引き取る予定だったらしいが…」
と肩を落としました。
◆次女に当たる32歳の娘
もう一人の事件の被害者は、父親の次女に当たる32歳の娘です。
次女は、一時対馬を離れていましたが、2年ほど前に地元に戻りました。
対馬に戻ると、診療所で看護補助として働き、明るい笑顔でお年寄りに好かれていたということです。
次女の同級生は、事件現場に花を手向け、
「11月末に会った時も何かに悩んでいる様子はなかった。笑顔が絶えず、本当にみんな大好きだった」
と、涙ながらに語りました。
◆次女の交際相手
次女には、31歳の交際相手の男性がいました。
男性が次女に最後に会ったのは、12月4日で、福岡市で2人でデートを楽しんだのだそうです。
男性は、
「またねと言った時、寂しそうだった。何か声を掛ければよかった。抱き締めておけばよかった。夢であってほしい」
と、肩を震わせていました。
◆母親
この家族の母親は、福岡市内の病院に入院中で、難を逃れました。
しかし、夫と娘をこういう形で失ってしまい、「難を逃れた」という言い方は正しくないのかもしれません。
◆犯人の行方は?
父親と次女は、頭の骨の一部が陥没するほど強く殴られていたことから、警察は放火殺人事件として、犯人の行方を追っています。
火災前には、被害者宅の敷地内にある納屋に出入りする不審な男が目撃されており、犯人は父娘を待ち伏せていたのでしょう。
2人の遺体には、骨折に至らない複数の傷もあり、犯人は強い殺意を持っていたと見られています。
家の様子を知っており、強い殺意を持っていた様子からも、犯人は怨恨のセンが強いでしょう。
◆まとめ
次女の名前は、12月24日の誕生日にちなんで、「聖」の文字がつけられています。
交際中の男性は、約2週間後の誕生日に、次女にプロポーズするつもりだったそうです。
一人の女性の、聖夜に訪れたであろう幸福を叩き潰した、残忍な犯行。
せめて、クリスマスまでに犯人が逮捕されることが、故人への手向けとなるのかもしれません。
犠牲者のご冥福をお祈り申し上げます。
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