2017年衆院選が終わり、与党が3分の2勢力を維持。
希望の党に対する希望がしぼみ、ネーミングの勝利・立憲民主党が躍進を遂げています。
そして、今回の衆院選でもう一つスポットが当たっていたのが、「女性議員の禊(みそぎ)」でした。
◆山尾志桜里と豊田真由子の共通点
山尾志桜里氏も豊田真由子氏も、1974年生まれの43歳。
出身地は異なりますが、2人とも東京大学文科一類に入学し、東大法学部を卒業しています。
その後、紆余曲折を経て衆議院議員となり、2017年に不祥事が発覚。
それぞれ、民進党・自民党を離党し、2人とも無所属で今回の衆院選に挑んでいました。
◆山尾志桜里が当選して豊田真由子が落選した3つの理由
そして結果は、山尾志桜里氏は愛知7区で自民党候補を834票差で下して当選。
豊田真由子氏は埼玉4区で、前回の4分の1である2万票しか得られず、落選しています。
この2人の明暗を分けたものは、何だったのでしょうか?
◆理由1:山尾志桜里には刺客がいなくて、豊田真由子には刺客がいた
第1には、山尾志桜里氏に対しては刺客候補が立てられず、豊田真由子氏には刺客候補が立てられたこと。
実際のところ、愛知7区には希望の党から、前職・中根康浩氏の擁立が検討されているので、刺客を立てようとはしたのですね。
しかし、中根氏は、
“地縁もない選挙区では当選の見通しが立たない”
と判断し、愛知7区からの立候補を辞退。
なぜか共産党も候補者を出さず、結果、愛知7区からは無所属・山尾氏と自民党・鈴木氏の一騎打ちとなりました。
一方、豊田真由子氏の地盤・埼玉4区に対し、自民党は新人の穂坂氏を擁立。
さらに、希望・維新・共産も候補者を立てたため、一つの議席を5人で奪い合う泥仕合となりました。
結果、豊田氏は5候補中最下位となり涙をのんでいます。
◆理由2:山尾志桜里は法を犯さずに、豊田真由子は法を犯していた
2番目の理由として考えられるのが、不祥事の内容。
山尾志桜里氏は、既婚男性とのお泊り不倫が報じられましたが、当事者は一貫して否定しています。
そもそも、“姦通罪”がとうの昔に廃止された日本では、不倫は不法行為ではあっても犯罪ではありません。
一方、豊田真由子氏は、秘書に対する暴言・暴行が明らかになり、秘書は被害届を警察に提出。
埼玉県警は豊田氏を事情聴取しています。
豊田氏は、被害届の一部を否定したようですが、暴言・暴行は“暴行罪”を構成する犯罪行為です。
また、音声が録音されているため、すべてを否定することも出来ず、苦しい立場に追い込まれてしまいました。
◆理由3:山尾志桜里は泣かなくて、豊田真由子は泣いていた
3番目の理由はこれ。
実際には、山尾志桜里氏も感極まって涙するシーンもありましたが、テレビカメラの前では一貫して強い姿勢であったように思います。
市民に、
“がっかりした”
と厳しい声をかけられても、
“でも、ちゃんと説明をしたので…前を向いて頑張る!”
みたいな感じで切り返しており、不倫の真偽はともかく(おそらく真でしょうが…)、国会議員にはこういう強い姿勢が必要だと思います。
一方で、豊田真由子氏はイメージ戦略もあったのかもしれませんが、悪い意味で低姿勢な印象。
“申し訳ない”という神妙な表情が“弱気”とも受け取れてしまい、カメラの前で涙することも多かったと思います。
仕事ができて行動力があるところが豊田氏の本当の強みなのですが、結果としてこの強みを失ってしまったのが、本質的な部分での敗北につながりました。
◆まとめ
以上、不祥事を起こした女性議員2人の明暗を分けた理由を、考察してまいりました。
山尾志桜里氏は、
“禊(みそぎ)が済んだ”
ということで、今後、立憲民主党での厚遇も視界に入ってきています。
豊田真由子氏はどうなるのでしょうか?
上西小百合氏のように、タレントとして生きる道もあるかもしれませんが…。
◇編集後記
山尾志桜里議員が、東大時代に書いた書籍を見つけました。
【中古】アニーの100日受験物語—私は、コツコツ勉強する優等生ではなかった (ゴマブックス)
レアものなのでしょう、金額もイイ値段となっています(^_-)
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