フリージャーナリストの安田純平さんが、3年を超える拘束から解放されたね。
まずは、メディアの論調も「一人の人間の命が助かって良かった」と言うものなんだけど、これからは自己責任論が出てくるだろう。
◆身代金の総額は?
安田純平さんの解放に際し、身代金が支払われたかどうかははっきりとしていない。
しかし、在英・シリア人権監視団のアブドルラフマン代表は、
“100万~300万ドル(約1億1300万~3億3800万円)の支払いがあった”
と主張している。
しかも、身代金を支払ったのは安田さんの家族でもなければ、日本政府でもなく、直接関係ないカタール政府だというから驚きだ。
なんでカタールが身代金を払うかというと、
“記者の生命を守り、解放に尽力した姿勢を国際的にアピールすること”
という計算らしい。
世界有数の石油・天然ガス産出国であるカタールだからできる荒業なのだろう。
しかし、サウジアラビアなどのアラブ諸国は、カタールによる身代金が「テロ組織の資金源になっている」などと非難している。
国連安全保障理事会も、身代金が新たなテロを起こす資金源になりかねないなどの理由から、支払いに応じないよう各国政府に求めている。
◆噴き出す自己責任論
身代金はカタール政府が払ったからいいとして(?)、それでも出てくるのが自己責任論だ。
邦人が拘束されたということで、政府や外務省もかなりの労力とコストを費やしてきたことだろう。
警察も刑法の国外犯規定に基づき、略取誘拐や逮捕監禁容疑などを視野に捜査に着手するらしい。
それらの費用はすべて税金で賄われるのだから、ある程度の批判が生じるのは仕方がない。
そもそも、一番高くつくのはカタールに対する「借り」の部分。
「記者の生命を守り…」はあくまで表向きの理由で、日本に「貸し」を作ることによって、大人のビジネスをしようってことだろう。
身代金の300万ドルくらい、あっという間に取り返されるんだろうね。
安田さんは2015年にツイッターで、
“戦場に勝手に行ったのだから自己責任、と言うからにはパスポート没収とか家族や職場に嫌がらせしたりとかで行かせないようにする日本政府を『自己責任なのだから口や手を出すな』と徹底批判しないといかん”
と主張している。
◆韓国人説
それと、安田純平さんには「韓国人説」も巻き起こっている。
だいたい、炎上する有名人には「韓国人説」がつきまとうが、安田さんの場合は少し事情が違う。
拘束期間中の2018年7月、ネット上で公開された動画で、
“私の名前はウマルです。韓国人です。とてもひどい環境にいます。今すぐ助けてください”
と、呼びかけたのだ。
実際は安田さんは純粋な日本人なので、この動画は大きな謎を生んだ。
解放後に分かったことなんだけど、武装勢力に
“韓国人だと言え”
と強要されていたらしい。
他の監禁被害者が釈放された後に『あそこに人質の日本人がいる』と言われたら、監禁場所が世間にばれて、犯行グループが攻撃されるためだ。
ちなみに、「ウマル」と言う名前は、韓国人に使われる名前ではない。
◆まとめ
実は、安田純平さんが武装勢力に拘束されたのは、これが二度目。
最初は2004年にイラクで拘束され、この時も大きな論議を巻き起こした。
「二度あることは三度ある」とならないことを、国民は願っている。
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[…] 安田純平さんの解放と身代金の総額…噴き出す自己責任論と韓国人説 […]