2017年12月23日、大阪府寝屋川市で、33歳の女性が監禁された状態で死亡しているのが見つかりました。
監禁していたのは、この女性の家族。
この家族に、一体何が起こっていたのでしょうか?
◆監禁されていた長女
この事件で犠牲となったのは、この家族の長女で、33歳の女性でした。
長女は小学校6年の頃に精神疾患の診断を受け、中学校にはほとんど通っていませんでした。
暴れるという理由で、16~17歳の頃から監禁が始まり、17年もの間、窓もないプレハブに一人生活しています。
長女の小学校時代の同級生によると、長女は、
“いつも悲しそうな顔をしていた”
ということです。
体育の授業で長女の体にあざが見つかり、『どうしたん?』と尋ねられると
“ドーベルマンにかまれた”
と弁明していました。
◆父親と母親
この事件で逮捕されたのは、今年(2017年)で55歳になる父親と、53歳の母親です。
父親の職業は“工員”とされています。
母親は20歳で長女を出産した計算となり、当時としても若い年齢で結婚した夫婦だったのでしょう。
未熟な夫婦は、暴れる長女に対し、プレハブに監禁するという最悪の方法で対処します。
二重扉で内側からは開けられない部屋で生活をさせ、10台の監視カメラで長女の状況を把握。
このカメラのモニターとスピーカーなどを通して会話ができるようになっていたそうですが、どのような会話があったのでしょうか?
食事は1日1食で、水分は部屋の外から引き入れられたチューブを通じて補給させていました。
さらに、僅かな食事の内容は
“娘には自分たちの食べ残しを与えていた”
とひどいものでした。
遺体発見時、長女の身長は145cm、体重は19kg。
長女は衣服を身に着けていない状態であり、死因は重度の栄養失調の末の凍死でした。
長女が死亡した12月18日の最低気温は、氷点下2.7度です。
◆次女である妹
この家族にはもう一人、次女である妹の存在があります。
父親と母親は、12月18日に長女の異変に気がつきましたが、そのまま放置。
別の場所に住む次女に状況を説明し、次女から
“警察に行かなあかん”
と説得されたことから、23日に寝屋川署に自首しています。
次女の年齢は分かりませんが、監禁の実態を知らなかったということはないでしょう。
妹は警察の調べに対し、
“姉が17〜18歳ぐらいのときから姿をほぼ見ていない”
と話しています。
長女は小学校時代、運動会で創作ダンスを一生懸命に踊り、
“妹と母親に見せたい”
と文集に書いていました。
◆まとめ
父親と母親は、長女の死亡後、すぐに届け出なかった理由を、
“死んだ後も娘がかわいくて、置いておきたかった”
と供述しています。
しかし17年間、長女を監禁し、衣服も食事も満足に与えなかった鬼親の供述を誰が信じるでしょう。
警察は、保護責任者遺棄致死や監禁致死、殺人の容疑も視野に入れて、捜査しています。
◇編集後記
新潟少女監禁事件を覚えていますか?
今回の事件とは性格が異なりますが、少女が長期にわたり自由を奪われたと言う点では共通しています。
この事件を丹念に取材し、監禁事件の真実を炙りだしたルボルタージュがこちら。
新潟少女監禁事件 密室の3364日 (朝日文庫) [ 松田美智子 ]
作者の松田美智子さんは、あの松田優作さんの元奥さんです(^_-)
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